料理人歴30年以上! 人気料理人「賛否両論」笠原将弘氏が、いまこそお届けしたい『常備菜大事典』

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公開日:2022/4/30

賛否両論 笠原将弘 常備菜大事典
賛否両論 笠原将弘 常備菜大事典
笠原将弘/KADOKAWA)

「賛否両論」でも常に何種類かの常備菜を用意しているという、笠原将弘氏。料理人になって30年以上の笠原氏の、長年にわたるお店での仕込みの技と手法から生まれる常備菜はどんなものなのか。心の底から知りたいと思った。

 聞くと、常備菜があるおかげで簡単なひと手間で料理を仕上げることができるという。常備菜をそのまま出すのではなく、ほんのひと手間を加える。この言葉は、常備菜を作るのはいいが最後には食べ飽きてしまう“つくりおき挫折者”にとって救いだった。

 笠原氏が手軽に手に入る素材で、つくりおく和惣菜を教えてくれる。しかも、最後まで食べ飽きない展開料理までも紹介されているのが、『賛否両論 笠原将弘 常備菜大事典』(KADOKAWA)だ。

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 野菜・肉・魚介・乾物の素材別に載っており、今日はこの素材で作りたいと思う人に寄り添ってくれている。

 本書は日々に使える常備菜としてそのまま食べても充分においしい。けれど、一度作れば、展開料理を作って二度も、三度もおいしく味わえることを教えてくれ、常備菜のよさを再認識させてくれる。

「時間に余裕があるとき、安くたくさんの食材が手に入ったときなどにいくつかの常備菜を作っておけば、必ずやあなたの生活に彩りを添えてくれるだろう。備えあれば憂いなし。常備菜で毎日ハッピーに生きようではないか」という笠原氏の愛情が詰まった1冊だ。

常備菜と、常備菜を使った展開料理も

 常備菜をそのまま今晩のおかずにしてももちろんいい。そして1日たってより味のしみた状態で食べるのも、常備菜のよさだ。しかもほんの少し手間を加えるだけで違う料理が瞬く間にでき上がるというよさも。

常備菜と、常備菜を使った料理がきほん載っている
常備菜をそのまま今晩のおかずにしてももちろんいい

野菜は春夏秋冬の流れで、素材別に常備菜レシピを紹介している

 野菜は季節感があるもの。だから、今日はこの野菜で作ろうと思ったときに作りやすいよう、四季の順に紹介している。たけのこ含め煮、きゃらぶき、キャベツ甘酢漬け、きゅうり辛子漬け、なすの塩漬け、たたきごぼう、酢れんこん、里芋ピリ辛煮、きのこ柚香煮、大根の含め煮など。

たけのこの含め煮
キャベツ甘酢漬け
なすの塩漬け
里芋ピリ辛煮
きのこ柚香煮

肉は味がなじんだころに食べるのが常備菜の醍醐味

 ゆで鶏、焼豚、豚ロースハム、牛時雨煮、牛の佃煮など、すぐに食べてももちろんおいしいが、味がなじんだ翌日もこれまたおいしさが増している!?

ゆで鶏
焼豚
豚ロースハム

日本料理人ならではの、魚介の常備菜は、とりわけ唸るおいしさ

 鯛と新玉ねぎ南蛮漬け、いわしの梅煮、かつおのしょうが煮、酢だこ、あさりの佃煮、昆布の佃煮、鮭フレークなど、一度作ったらまた作ってみたくなる。

鯛と新玉ねぎ南蛮漬け
いわしの梅煮
かつおのしょうが煮
酢だこ

乾物の常備菜は、手作りってこんなにおいしいんだ! と思わせてくれる

 ひじき煮、油揚げ時雨煮、かんぴょう甘煮、干ししいたけうま煮、切り干し大根煮など、滋味あふれる料理こそ、笠原氏のレシピのおいしさを痛感する。

ひじき煮
干ししいたけうま煮

【著者プロフィール】
笠原将弘
東京・恵比寿の日本料理店「賛否両論」店主。実家は焼き鳥店「とり将」。「正月屋吉兆」で9年間修業。2004年、オーナーシェフとして「賛否両論」オープン。日本料理を日本に、世界に知ってもらい、味わってもらうべく幅広く活動中。『鶏大事典』『超・鶏大事典』『「賛否両論」おせちの本 完全版』(すべて小社刊)など、日本料理のスキルを高める著書多数。

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