夏と秋、季節によって進路が変わる! 台風はどこで生まれてどこに進むのか?/面白いほどスッキリわかる! 世界の気候と天気のしくみ

スポーツ・科学

更新日:2022/7/20

台風はどこで生まれてどこに進む?

上空の風の影響を受けて移動する

 熱帯低気圧のひとつである台風は、熱帯で発生しますが、日本にもやってきます。日本にはおもに8月の後半から10月前半にかけてやってきます。フィリピンでは11月や12月に台風による災害のニュースがよく報道されます。なぜ、台風は季節によって進路が違うのでしょうか。それは気圧配置と関係があります。

面白いほどスッキリわかる! 世界の気候と天気のしくみ

 台風は自分で移動する力は弱く、上空の風に流されて移動しています。太平洋の赤道付近で生まれた台風は、まずは赤道付近の上空で吹く貿易風によって北西に移動します。このとき、太平洋高気圧に通せんぼされるので、その縁を回り込むようにして移動していきます。ある程度北上すると、方向転換します。今度は温帯の上空を吹く偏西風によって北東に移動するのです。

 秋に台風がそのまままっすぐ進まずにわざわざ方向転換して嫌がらせのように日本列島に接近・上陸するのは、このような太平洋高気圧と上空を吹く風との位置関係によるものなのです。

 季節によって進路が違ってくる原因のひとつは、太平洋高気圧の勢力が季節によって違うことです。夏は太平洋高気圧が日本付近にまで張り出しているので、台風は日本には接近・上陸しにくくなります。いくつかの台風は北寄りに進んで接近しますが、移動速度は遅いです。しかし、晩夏から初秋にかけて太平洋高気圧の勢力が弱まると、台風は日本に上陸しやすくなるというわけです。

<第5回に続く>


『面白いほどスッキリわかる! 世界の気候と天気のしくみ』をAmazonで読む >

あわせて読みたい