夏と秋、季節によって進路が変わる! 台風はどこで生まれてどこに進むのか?/面白いほどスッキリわかる! 世界の気候と天気のしくみ

スポーツ・科学

更新日:2022/7/20

 集中豪雨、極度の乾燥、高温など…近年、世界各地でこれまでの記録を更新するような異常気象が観測されています。

 今回ご紹介する『面白いほどスッキリわかる! 世界の気候と天気のしくみ』では、著者でもある気象予報士の資格を持つサイエンスライター・今井明子さんが「地理」と「地学」をもとに意外と知られていない「世界の天気」や「異常気象の謎」を、豊富な図解とともにわかりやすく解説します。

 なぜこの地域は雨が少ないのか、1日の寒暖差が大きい理由など、『面白いほどスッキリわかる! 世界の気候と天気のしくみ』を読めば謎が解ける! 子どもから大人まで学べる、おすすめの一冊です。

 日本ではおもに8月後半から10月前半にかけてやってくる台風。その進路は、季節によって変化します。台風はどこで発生しているのでしょうか?

※本作品は今井明子著の書籍『面白いほどスッキリわかる! 世界の気候と天気のしくみ』から一部抜粋・編集しました

面白いほどスッキリわかる! 世界の気候と天気のしくみ
『面白いほどスッキリわかる! 世界の気候と天気のしくみ』(今井明子/産業編集センター)

面白いほどスッキリわかる! 世界の気候と天気のしくみ

なぜ、ケニアに雨季と乾季ができるのか

地球の公転が雨季と乾季を生み出す

 サバナが広がるアフリカ東部のケニアは、赤道直下にあるのにもかかわらず、雨季と乾季があります。それはなぜでしょうか。

面白いほどスッキリわかる! 世界の気候と天気のしくみ

 太陽の光が垂直に当たる赤道上は、太陽からのエネルギーを地球上で最も多く受け取れる場所です。しかし、太陽はずっと同じ場所を真上から照らすわけではありません。春分と秋分では赤道の真上を通りますが、冬至から春分までの期間に当たる12〜2月は赤道より南の空を、夏至から秋分までの期間にあたる6〜9月では、赤道より北の空を通っています。

 太陽に直接照らされた場所では、地表が温められて上昇気流が発生します。そして、上昇した空気はその周囲で下降します。上昇気流の発生する場所では雲ができ、下降気流の発生する場所では雲ができません。

 ケニアでは、3〜5月と10〜11月は、ほぼ真上から太陽が地面を照らします。すると、そこでは上昇気流が発生して、雲ができ、雨が降ります。これが雨季です。

 一方、太陽の位置が北や南にずれるほかの季節では、太陽はケニアの北や南の地表を照らします。するとそこで上昇気流が発生するため、ちょうどケニアは下降気流が発生する地域になり、雲ができず雨が降らない乾季になるのです。

 熱帯収束帯と亜熱帯高圧帯の2つの位置は季節によって微妙に緯度を変えます。熱帯収束帯になった季節は雨季に、亜熱帯高圧帯になる季節は乾季になるのです。

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