チャレンジを躊躇するか、やってみるか。右脳的要素「アニマルスピリッツ」をはかる/本当の頭のよさを磨く脳の使い方

暮らし

公開日:2022/12/11

 今日の正解が、明日は不正解かもしれない時代。不透明な世の中を生き抜くためには「本当の頭のよさ」が必要かもしれません。

 脳科学者の茂木健一郎さんは「情緒に流されない力」「地図を読み換える力」「アニマルスピリッツ」「妄想する力」の4つが「本当の頭のよさ」の源泉だといいます。

 『本当の頭のよさを磨く脳の使い方』では、アインシュタインからイーロン・マスク、マーク・ザッカーバーグまで、歴史に名を残す天才や世界的起業家たちを分析し、脳科学から「本当に頭がいい人」になる方法を解き明かします。

 思考実験「モギシケン」で、あなたの「アニマルスピリッツ」の現在地点を確認してみましょう。

※本作品は茂木健一郎著の書籍『本当の頭のよさを磨く脳の使い方』から一部抜粋・編集しました

本当の頭のよさを磨く脳の使い方
『本当の頭のよさを磨く脳の使い方』(茂木健一郎/日本実業出版社)

モギシケン
アニマルスピリッツをはかる

Q 占いや風水などに凝っている人がいます。ビジネスに役立てたいそうです。どういうアドバイスをしますか?

次から1つ選んでください

①その人が具体的に何をやりたいのか聞いて、実践的に意見を述べる
②占いや風水は迷信だからやめとけと言う
③そういう人は怪しいので敬遠して近づかないようにする

答え ①(4点/4点満点)

 

茂木健一郎のワンポイント解説

 ①を選んだあなたは、アニマルスピリッツが十分発揮されている状態だと言えます。なぜなら、どんな理由でも行動することが大切だからです。極端なことを言えばサイコロを振って行動を決めてもいい。とにかく行動する、自分の行動も他人の行動も止めないのがアニマルスピリッツが発露している状態です。

 ②や③を選ぶ人は、アニマルスピリッツが眠っている状態ですね。でも、なんらかのアクションはしたというところを評価して、どちらも1点。「自分はやらないけど、相手のチャレンジには水を差す」「敬して遠ざける」。現代の日本人はこういう人が非常に多いですね。僕は感心しません。

 自分が何かやりたいと思ったときも、多くの人は躊躇しがちです。

 実はこの本の担当編集者も副業で学童をやりたいらしく、事業を起こすお金はないが資格はあると言うんですね。僕からすれば資格を取るのは時間がかかるけれど、お金を集める方法はいくらでもありますから「やればいいじゃん」と思うのですが、「いや、でも……」とか言う。やってみて失敗するということがなかなかできないわけです。

 僕は楽天の三木谷浩史さんはアニマルスピリッツを最大限に駆使している起業家の1人だと感じるのですが、三木谷さんは、この「いや、でも」「できないかも」が全くない人です。ちなみに戦後、ゼロから創業して時価総額が1兆円を超えた会社というのは20社前後しかないらしいのですが、その中の1つが楽天です。

 彼は過去のインタビューでも「終わったことをあまり気にしないタイプ」と自分を評価しています。失敗しても失敗と思わないという旨のことも述べています。

 だからこそインターネット黎明期に会社を立ち上げ、球団を買い、携帯事業に進出し、と、さまざまな事業にアクティブに挑戦し、拡大していけるのでしょう。

 

 子どもが「サッカーをやりたい」と言った。親友が「小説家になりたいから同人誌をつくろうと思う」と言った。夫が「会社を辞めて会社をつくりたい」と言った。

 ……生きていると、日々〝チャレンジ〞に遭遇します。そのとき躊躇するのではなくやってみる。あるいはやってみたらと背中を押せる。それができるかどうかが、アニマルスピリッツの現在地点の目安になります。

<続きは本書でお楽しみください>

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