絵画にハエがついているドッキリ!? 死や腐敗を示すというハエを描いた別の意味とは?/つい人に話したくなる名画の雑学⑦

文芸・カルチャー

公開日:2023/12/20

つい人に話したくなる名画の雑学
1880年 油彩、キャンバス 2680×3600㎜ ラ・ピシーヌ美術館(フランス、ルーベ)

リアクション盛りすぎ! 絵画上のミュージカル

『マラーの暗殺』

ジャン=ジョゼフ・ウェールツ
【フランス 1846~1927年】

全員がポーズをキメたミュージカルの一場面?

「犯人は、お・ま・え・だ〜♪」という歌声が聞こえてきませんか? ミュージカルの一場面のような過剰演技が絵画上で展開するという珍しい構図です。これはフランス革命指導者の一人マラーが美人アサシンのシャルロット・コルデーに暗殺された実話を描いています。画題としてメジャーなこの暗殺なのですが、登場人物全員がリアクション盛りすぎ。兵士などは犯人を見てもいませんし、死んでいるはずのマラーもなんとなくポーズをキメているように見えます。

大げさなポーズは本人のお気に入り?

 ウェールツはエコール・デ・ボザールでアレクサンドル・カバネルやイジドール・ピルスに学んだアカデミック美術の人。フランス革命のエピソードを画題にする事が多かったようです。国民美術協会に参加し、パリの市庁舎など、公共の建造物で絵画が飾られている事もありました。なお、この作品に見られるような手を上げた大げさなポーズは他の作品にも見られます。お気に入りなのですね。

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