ラノベ好きな先生からの挑戦状? 『這いよれ!ニャル子さん』ほか ―ブンガク!【第4回】―

2013/4/30

 中高生を中心に大人気の「ライトノベル」(通称ラノベ)。最近ではテレビアニメ化などの影響でファン層も拡大しています。そこで、ラノベって言葉は知ってても読んだことがない、という初心者向けに“超”入門コラムをお届け!代表的な作品の紹介や、楽しみ方について、作家や絵師など関係者への取材も織り交ぜながら、ラノベ風の会話劇でお送りします。毎月第1・3火曜に更新予定!

制作協力:代々木アニメーション学院 / 文=カンダ ユウヤ 絵=ましま


【前回までのおさらい】
○【第1回】ブンガク部が廃部ってどういうこと?
○【第2回】帰国子女でラノベ好きな美少女あらわる!
○【第3回】ブンガク部の救世主?顧問をさがせ


「レディース&ジェントルメン! 生徒の皆様どのようにお昼をお過ごしでしょ~か? さあ、皆様お待ちかね! お昼のラジオです。司会は私、新任の保健担当、田中です!! よろしくお願いします。そして場所は放送室特設スタジオでお送りしま~す! 今日の校内ラジオはなんと特別回! では早速参りましょう。題してラジオスペシャル・ラノベクイズ!!」

  

「「「えっ……?」」」


「あれ? なんか三人ともテンション低いね~。ほら、ラジオなんだから、もっとテンションあげて~!」


「ちょっと待ってください……? てか、なんだこれッ!?」


「おお、参加者その1! 3年A組の中島優斗君。始まった早々テンション高いね~」


「わーッ! 実名を校内放送で出さないで恥ずかしいから!!」


「あはは、ゴメンネ~」


「なんなんですか、いきなり呼び出しておいて! てか、ラジオなんて僕は聞いてないですよ!」


「ノリが悪いよ~、中島君。ほら、テンションあげて~」


「答えになっていません! というか、どういうことですかこれ!」


「ああ、これね! この前の職員会議で先生方から校内ラジオのいいネタはないかと聞かれてね。せっかくだから、僕がブンガク部をネタにクイズのバラエティ企画を用意したんだ」


「な、ななんですか、それ~!」


「ではでは、参加者その2! 元気いっぱい、アフロ系男子! 2年B組、桜井智樹くんだ!」


「ええッ! (僕!いらないんじゃない?) そんなことより校内放送なんか使ってアリなの!?」


「は~い、元気ですね。では次に参加者その3! 天才少女にして麗しの帰国子女! 1年C組、佐藤唯ちゃん!」


「み、皆さん、ごきげんよう? あ、でもやるからには本気です!」


「では参加者諸君、準備はいいかな!」


「ちょっと、待ってください! 顧問の話はどうなったんですか? まさかこの放送で決めるなんて言うんじゃないですよね!」


「うん、そのまさかだよ」


「本気かよ~」


「ぶっちゃけ、上手く乗せられておりますわね、私たち」


「はあ~、背に腹は変えられない、仕方ないやろうか」


「さあ、出題は5問、それではクイズ・スタート!! 第1問、『這いよれ!ニャル子さん』からの問題です。この作品のヒロイン・ニャル子さんの正体は……」


「はい、はい! ニャルラトホテプです!」


「ハイ、ハズレ! ブブー!」


「あれッ なんで!?」


「……ニャルラトホテプ、で・す・が、そのニャルラトホテプとは何が元ネタでしょうか? ……はい、唯ちゃん!」


「はい、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトによるクトゥルー神話(※1)です!」

這いよれ!ニャル子さん

※1「クトゥルー神話」
『這いよれ!ニャル子さん』(逢空万太/GA文庫)

高校生の八坂真尋はある日、夜道で怪物に襲われ、突如現れた謎の少女に救われた。その少女はクトゥルー神話に登場する邪神、ニャルラトホテプであると語り、自分は真尋を守るために派遣された宇宙人だと告げるのだが――。クトゥルー神話を元ネタにしたハイテンション混沌ラブコメディ。「クトゥルー神話」とは、アメリカの作家、H・P・ラヴクラフトが書いた小説を基に作り上げた神話である。ニャルラトホテプはクトゥルー神話に登場する邪神の一人。


「ハイ、正解! 唯ちゃん物知り! 関心、関心!」


「やったー!」


「さて次の問題にいきましょう。第2問、『Fate/Zero』からの問題、作中、七組の魔術師と英霊による戦いをなんと言うでしょうか? ではさっそくいくよ~。はい、桜井君!」


「はい! 第四次聖杯戦争(※2)です」

Fate/Zero

※2「第四次聖杯戦争」
『Fate/Zero』(虚淵玄/TYPE-MOON/星海社)

聖杯戦争。それは願いを叶える聖杯を求めて、7人の魔術師が7人の英雄を召喚して戦う争奪戦。三度の戦いを交え、今、四度目の戦いが始まる。主人公・衛宮切嗣は、剣士のサーヴァント、セイバーを召喚し聖杯戦争に身を投じていく。TYPE-MOONの奈須きのこがシナリオを執筆した人気ゲーム『Fate/stay night』の10年前を描いたスピンオフ作品。


「お見事! 正解!」


「よっし!」


「さあ、盛り上がってきました! では次の問題です。第3問、『デュラララ!!』からの問題、デュラララ!!といえば池袋、そして首なしライダーことセルティ・ストゥルルソン、ですが彼女の故郷であるアイルランドでは彼女は何と呼ばれていたでしょうか?ではまたまた唯ちゃん!」


「はい、これで決めます! アイルランドに伝わる首のない妖精デュラハン(※3)ですね!」

デュラララ!!

※3「デュラハン」
『デュラララ!!』(成田良悟/アスキー・メディアワークス)

舞台は池袋。都会の暮らしに憧れる少年、竜ヶ峰帝人は幼馴染の紀田正臣に誘われて来良学園に入学する。そこで都市伝説と噂される、首なしライダーを目撃。それから帝人は数々の思いもしない非日常に巻き込まれてゆく――。2010年にアニメ化され大人気となった都市伝説系群像劇。「デュラハン」とは、首なしライダー、セルティ・ストゥルルソンの正体。アイルランドに伝わる首のない男性もしくは女性の姿をした妖精。


「唯ちゃん、お見事、正解! さらに物知り!」


「このくらい、なんて事はありません。 キャッ! また先生に褒められちゃった!」


「次の問題です。第4問、『レンタルマギカ』からの問題、作中に登場する魔法使い派遣会社アストラルで登場する魔法は陰陽道、神道、霊能力、ルーン等など、その中でヒロインの穂波・高瀬・アンブラーが使う魔法は何でしょうか? では桜井君、どうぞ!」


「は、はい! ケルト魔術と魔女術(※4)ですよね~!」

レンタルマギカ

※4「ケルト魔術と魔女術」
『レンタルマギカ』(三田誠/角川書店)

臆病で弱気な高校生・伊庭いつきが父の失踪を機に継ぐこととなった魔法使い派遣会社「アストラル」。慣れない社長業に悪戦苦闘するいつきが、個性的な社員たちと共に迫りくる敵と戦う異種魔法戦闘ファンタジー。「ケルト魔術と魔女術」は、ヒロインの穂波・高瀬・アンブラーが使う魔術。現代ではウィッチクラフトと呼ばれ、おまじないや占いもしくは薬草学などにも用いられる。


「桜井君、正解! 連続正解か、こりゃあ、参ったね」


「ふふっ、穂波ちゃんファンである僕が間違える要素がどこにあるって言うんですか、今回は一本貰いましたよ!!」


「さ~て、最後の問題です。第5問、『ゼロの使い魔』からの問題、最後の問題ということでシンプルにいきたいと思います。では、ゼロの使い魔のヒロイン、ルイズのフルネームは何と言うでしょうか? では、最後の最後に中島君、君に決めた!」


「げ、ここで先輩!?」


「ああ、確か中島先輩はラノベ知識にうとかったんですよね……」


「あ、あ、え~と、確か……え~と、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール(※5)ですかね?」


「ファイナル・アンサー?」


「え、はい……ファイナル・アンサー?」


「……中島君……」


「……あ?……え?」


「正解いぃぃ~!! ついでにゼロ使は僕のお勧めです! ゼロ使は僕のお勧めです! 大事なことなので二回言いました!!」

※5「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」
『ゼロの使い魔』(ヤマグチノボル/メディアファクトリー)

平凡な高校生、平賀才人はある日突然、魔法の才能がまるで無い少女ルイズに異世界に召喚されてしまう。こうしてルイズと主人公、才人との奇妙な同居生活と冒険が始まった――。先日急逝したヤマグチノボル氏の代表作で、「ツンデレ」という言葉を世に知らしめた異世界ファンタジー。作者のあとがきによれば、ルイズの名は『ダルタニャン物語』にも登場する実在の人物、ルイーズ・ド・ラ・ヴァリエールをモデルにしているとのこと。


「せ、先輩スゲーッ! よく覚えてましたね!」


「あ、ああ、初めて読んだラノベからね。あと妙に長い名前だったから……気にはなっていたんだ。でも正解でよかった~」


「すごいね。君たち、うん、よくがんばった。おめでとう! いや~、分かっていたんだ君たちならやり遂げられるって!!」


「本当ですか~」


「ま、いいじゃない。上手くいったんだからさ」


「ですね、先生。これで顧問の件もよろしくお願いしますね」


「ああ、OK~。それじゃあ、よろしくね」

  

「はい!」


「てなわけでラジオの前の皆さん、ブンガク部をよろしく! ラジオスペシャル・ラノベクイズでした!」

  

「バイ、バ~イ!」

 

……つづく

 

次回予告


「次回予告、こんにちは中島優斗です!」


「そしてブンガク部、顧問の田中です!」


「ああ、田中先生!」


「という訳でよろしくね。中島君」


「はい! それでは次回もお楽しみに!」


「バイ、バ~イ!」