『週刊ツリメ』「インフルエンザの予防注射って怖いよね。」/【第34回】

エンタメ

2018/10/19

 もう半袖短パンでは居られない季節がやってきた。唯一体育会系の学生さんは鍛え上げられた二の腕とふくらはぎが出ている格好で見掛けるが、その他は少し厚手の服を着ている。

 しかし今年の夏は長い。猛暑のなごりが10月入った頃まであった気がした。そのせいで1人の短パン小僧で居た僕は、体調を崩してしまった。怒ったところで向こうは天候だ。神様と呼んでも変わらないだろう。罵倒したところで落雷が自分に返ってくる事は予想が付く。

 食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋と謳われている時期も凌駕しようとする今年の夏。どれか〇〇の夏と変更される日が来てもおかしくない。奪われてしまった〇〇の秋。そこに変わってある行事が加わると考えた時、これしかないと思い当たる言葉がある。

「注射」だ。

 注射の秋と変更される日も遠くはない筈。

 何故かと言うと10月に入るとインフルエンザの予防注射が各病院で始まるからだ。小中高の学生時代、紅葉が綺麗な時期になるとクラスのほんの一部がインフルエンザで欠席をしていた。学級で一定の人数がインフルに感染すると、学級閉鎖になって休みになった日もあった。苦しい思いをしているクラスメイトには申し訳ないが、突然の休みは最高に嬉しかった。

 まぁ幸いにもツリメは掛かった事がない。もしかするとインフルのワクチンよりも有能な免疫力が体内にあるのかも知れない。しかし大学に入学し、YouTube活動をしていく上でツリメ免疫がインフルエンザに負けてしまった場合、最悪な事態になる。その1、周りに迷惑をかける。その2、熱が出て辛い思いをする。頭痛は特に嫌いだ。常に頭を振られているような気分だ。そんな拷問は勘弁。

 そんな訳で予防接種をしてもらう為に先日病院に行ったのだ。ここ2年くらいはアバンティーズのメンバーと一緒に受けている。その日はツリメ、リクヲ、そらちぃで向かった。エイジは体調不良で欠席だ。

 別に体調が良くない訳ではないのに病院に居るのは違和感を感じる。待合室で待っているリクヲとツリメ。あれ、、、気付けばそらちぃが居ない?そう、あやつは注射から逃げたのだ。その時は事務所に居て、前日に受けた数人の社員さんに「そんな思ってるほど痛くないよ」と説得されていた。が、その思いも届かず僕とリクヲが病院に向かう途中に「やっぱり僕帰ります〜」と言い放ち姿を消したのだ。

 その反面リクヲはあの針に恐怖心は持っていないようだ。あの2人は真反対の感覚を持っている人間だと考えている。

 リクヲは絶叫系のアトラクションが大好きで動画の企画でスカイダイビングをやったのだが、嬉しそうに飛んでいた。上空に向かうヘリコプターに乗り込む時は顔が強張っていたが、降りてきた時は最高に眩しい笑顔をしていた。きっとドMなんだろう。

 逆にそらちぃはそこが泣き所だ。絶叫も無理だし高い所も苦手なのだ。昔に冗談半分でバンジージャンプをさせようとしたら「死んでもやらない!!」と大声で返された。僕の考えだとMかSかでいうと後者なのだろう。ヤられるのは嫌いみたいだ。

 正直言うと、自分も注射は嫌いだ。針を身体に刺すのなんて勘弁だ。それは痛いに決まっている。しかし身体に刺さってしまえば、元には戻れない状態に陥る。

 これは仕方のないことなんだと自分に言い聞かせて、ナースさんのいる部屋に向かっている。隣には注射器が置かれている。その二つを観た時に引き返す事はできない。むしろそこから逃走できたら、そいつは凄い肝っ玉を持っている人間だ。

 僕達の名前が呼ばれて、指定された部屋に向かった。すぐ終わる事だと承知はしているが、痛いことには変わりない。その恐怖がこの胸を苦しめる。ドアを開けるとベットが2つ正面を向いて置いてあった。そこに座る様に指示をされ、先にリクヲがワクチンを打たれた。何も起きて無い様な顔をしており余裕を感じた。何故平然とした表情で居られるんだと悔しい気持ちを抱いたのと、こんな針如きで怯えている自分が情けないと感じた。だがこれは勝負ではない、単なる予防接種に過ぎない。人様に迷惑をかけない為の試練だ。

 自分の出番がやってきた。ナースの人が「右腕と左腕どっちがよろしいでしょうか?」と訊いてきた。えぇええええ。何それ。腕によって何か違うの?効き目が変わるのかな?なんて、思考がスーパーコンピューター並みに回転してパニックになった。思わず利き腕の「右腕で」と返した。

 打つ場所を拭かれ彼女は注射器を手に取った。皮膚に入る瞬間はあまり見たくない派だ。視界には入って来ないが、ゆっくりと刺さる感覚が伝わってきた。それが痛みに変わってゆく。声を出す事は出来ないから、眉間にシワを寄せる事によって注射の痛みを耐えきった。

 これが初めてではないがやっぱり慣れない。死ぬまで同じ様な10月を繰り返すのかなぁって思うと、注射を打った右腕がズキッと痛んだ。しかしこれで感染しないのなら満足だ。ちなみにそらちぃがインフルエンザに感染した際は、UUUMの役員さんで囲い叱ってほしい。そう切実に願っている。

◆執筆者プロフィール
ツリメ(byアバンティーズ)
YouTuberプロダクション・UUUM(ウーム)株式会社所属。埼玉県出身の現役大学生でもあり、年齢は21歳。90万人のチャンネル登録者を抱える人気グループ「アバンティーズ」の一員として活躍しているが、じつはYouTuberを続けるか就職するかで悩んでいる(というかそもそも卒業できるのかアヤシイ)。絵心はないがイラストを描くのが趣味で、メンバーからは「画伯」と呼ばれている。

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