モンドセレクション金賞は美味しさの保証にならない? 【よく見かける表示の謎】連載第1回

暮らし

2018/12/9

『暮らしの中の表示 知らないと困る最新知識』(博学こだわり倶楽部:編/河出書房新社)

 街を歩くとき、スーパーで日用品を買うとき、さまざまな表示や記号が私たちの目に入ってくる。当たり前の光景としてふだんは見過ごしているけれど、よく観察してみると、「コレってどういう意味?」と気になることも多いはず。そんな疑問をひもとくために、豊富な知識がぎゅっと詰まった『暮らしの中の表示 知らないと困る最新知識』(博学こだわり倶楽部:編/河出書房新社)から、今知りたい情報や、人に教えてあげたくなる旬のネタをご紹介したい。

■「モンドセレクション金賞」ってどれくらい凄いの?

「モンドセレクション金賞」表示のついた食品を店先で見かけたり、CMなどで聞いたりする機会は多いだろう。世界的な賞を受賞しているならばきっと美味しいんだろうとつい財布の紐を緩めてしまいがちだが、「なぜ金賞がこんなにいっぱいあるんだろう?」と不思議に思った人も多いのではないだろうか?

 結論を先にいうと、モンドセレクションを受賞しているからといって、美味しさを保証しているものとは限らないそうだ。なぜならば、モンドセレクションとは、味の良さや品質の高さを評価する賞ではないからだ。

 モンドセレクションは、1961年に発足したベルギーに本部を置く品評機関で、世界各地の市販商品を評価する。その評価基準は「規格にのっとって製造されているか」「パッケージに記載されている内容が商品と相違ないか」といった点。つまり、味や品質は調査対象ではないのだ。(本書24ページ)

 また、飲料や製菓、トイレタリー商品など幅広いジャンルの各部門においてそれぞれ審査が行われるが、得点の平均値が90点以上であれば「最高金賞」が授与される。受賞点数が限定されているわけではないので、得点にしたがって、最高金賞以下、金賞、銀賞、銅賞が与えられ、場合によっては数多くの受賞商品が出ることになる。

 勘の良い方はもうお気づきだろうが、日本でモンドセレクション商品を多く見かけるのは、そもそも日本製品にはパッケージの表示通りのものが多いので、受賞基準を満たしているからだ。とはいうものの、受賞商品には良いイメージがあるため、受賞商品の売上は伸びるケースが多いという。…どうやら私たちはまんまと企業やブランドの戦略に乗せられているようだ。

 本書では、生活のいたるところで目にする表示や記号、マークについて、「隠されている本当の意味」をわかりやすく説明してくれる。どれも実用性の高い豆知識なので、賢い消費者になるためにも、ぜひ本書を手に取っていただきたい。

文=田坂文