『週刊ツリメ』「銃社会」

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公開日:2019/8/7

 2回程アメリカに旅行で行った事がある。シアトル、ロサンゼルス、2箇所とも初めての場所で歩いているだけで心が踊った。目に映る街並みの色も日本とは違う。少し淡い色味をしている。

 ホームセンターに用事があり行ったのだが、どの商品も日本と比べるとふた回りくらい大きい。身体も大きいが品物も比例して大きいのかと圧倒された。アメリカ製のパンパースをツリメは余裕で履けてしまうかも知れない。赤ちゃんはそんなにビックじゃなく可愛いか。

 行く箇所全てが新鮮で人も食事も製品も文化も違う。この「違い」はここに居ると当たり前になってくる。そんな事を考えながら奥に進むと普通に銃が置いてあった。おびたたしい数の武器がガラスケース、壁にずらりと並んでいる。アメリカ人は自分の身を守る為、護身用に持つ人が居るのは知ってた。購入する際に色々な手続きがあるとはいえ、日常生活品が売っている中に拳銃が「俺はここに居るぜ」と言わんばかりのオーラを晒している事に驚きを隠せない。日本のアダルトコーナーみたく「エッチなDVDはこちらです」と描いてある銃用の垂れ幕があっても良いんじゃないかなぁ。そっちの方が子供に刺激を与えず優しいんじゃないのかな、とも未成年の頃に垂れ幕や仕切りの隙間から何度もエッチな物を覗き見してたツリメが訴えます。

 日本のおもちゃ屋に置いてあるエアーガンと似ていたが本物のチャカを見て、身を潜めようとしたが、「そうだ、ここはアメリカなんだからあって当たり前か」という思考に着地して恐怖は無かった。引き金を引けば殺人凶器になる代物だ。危なっかしい物が普通に置いてある事に対してすぐに慣れている自分が居たのだ。

 日本に帰国し、そんな経験から数年経ちニュースを見ていると「アメリカの銃撃事件」が頻繁にピックアップされる。それを見てツリメは当たり前とは思えなかった、異常に感じた。ラスベガスで死者が50人以上出た事件、フロリダの高校で17人も死者を出した事件。最近もテキサスのショッピングモールで銃の乱射事件があった。この現状に違和感を覚えない人はいない筈だ。

 銃が浸透しているアメリカで規制を行うとしても難しい部分はある筈。例えばアメリカ合衆国憲法修正第2条にはこう書かれている。「規律ある民兵は自由な国家の安全保障にとって必要であるから、国民が武器を保持する権利は侵してはならない」と記載されている。これを挙げて規制に反対している団体もいる。僕は誰でも手に拳銃を握らせてしまうこの法には危惧の念を抱く。読者、視聴者の皆も考えて欲しい。はじめしゃちょ―が持ったとしよう。彼は発狂しながら無差別に発砲するかも知れない、と想像が付く。常識がある人だからきっとそんな事はしないだろう。ところが人間ってのは怖い生き物で自分の拳でさえ武器にする。銃を使うのは最終的には人だ、が容易く手に入る環境を第一優先で変える必要性がある気がするんだ。ところが現在蔓延している銃を回収するのは至難の技。それに加えて個人間の売買が出来る州もあると聞く。それって規制どころじゃないじゃんって話になってくる。

 しかし現状を見るとこんな意見もあると思う。憲法により保身の為に銃を持つ事を許可をした国。悪用して犯罪を犯す輩がいる中で、一般人は彼らに対抗する為に使う事もあるだろう。所持してる事により「もしも襲われたら」と死の恐怖を和らげたり、安心感を得られるのかも知れない。

 また、物理的に弱い生き物でも、銃ならば強者に対抗出来る、生きてこの場を切り抜ける方法を考え抜く。それで人を殺めたとしても「それは仕方がない」「撃たなければ自分がやられていた」「これは生きる為の正しい行為」「正当防衛だ」と頷く人々が大半だ。僕も頭をコクリとするかも知れない。だから規制をする為にはこういった問題も隣に置いて議論しなければならない。もし国民から銃を取り上げた時に「身は守れるのか?」という問題も起きる筈だ。

 もうね、時間を太古に巻き戻してくれ、若しくはこの世にある銃を水鉄砲に変えてくれ。

執筆者プロフィール
ツリメ(byアバンティーズ)
埼玉県出身、年齢は23歳。チャンネル登録者数160万人超の人気グループ「アバンティーズ」のメンバー。
絵心はないがイラストを描くのが趣味で、メンバーからは「画伯」と呼ばれている。
ツイッター:@turime1996
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