「誰が言ったのか」より「何を言ったのか」『仕事が早く終わる人、いつまでも終わらない人の習慣』⑤

ビジネス

2019/8/29


 仕事がなかなか終わらない理由、それは、あなた自身が仕事をどんどん増やしているからです。仕事を手掛ける順番、考え方、判断軸等をちょっと変えるだけで、あなたの仕事時間は急激に減ります。無意識の仕事肥満体質から脱却しましょう。

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早く終わる人は「何を言ったのか」を重視し、終わらない人は「誰が言ったのか」を重視する

 人は情報を受け取る時、「何を言ったのか」より「誰が言ったのか」を重視する傾向があります。

 たとえば、Wというサプリメントがあったとします。

 白衣を着た中年男性に「Wは健康に悪いからやめたほうがいい」と言われるのと、Tシャツにジーンズ、金髪姿の若者に「Wは健康にいいからどんどん摂取したほうがいい」と言われるのとでは、あなたはどちらを信じますか?

 おそらく白衣を着た中年男性の言葉を信じるでしょう。

 企業がこぞってカリスマ経営者や人気タレントを高額のギャラを払ってまで広告塔として起用するのも、「誰が言ったか」を重視する人がいかに多いかを示しています。

 これは、仕事でも同じです。

 会社の中には必ず意見が通る人がいます。

 自分の意見の根拠を常にしっかり示せる信頼度の高い人のほかに、地位の高い役職の人、声の大きな自己主張の強い人、言葉が巧みな人、立ち回りの上手な人たちも、該当するかもしれません。

 しかし、「誰が言ったか」を重視しすぎるのは非常に危険です。

 以前、ある会社の製品管理部で、作業手順をより効率的に変えるためのミーティングがありました。

 基本的には現状の手順を踏襲して一部を変更するという内容のF案と、手順を大幅に組み替えるという内容のG案を検討することになりました。

 ベテラン社員の提案であるF案を強く支持したのはM課長でした。

「作業手順を大幅に組み替えると何人かの社員が不慣れな仕事をすることになるうえ、混乱が生じるからF案が良い」

 一方G案は、若手契約社員Hさんの提案でした。一部の若手社員は「G案がいいのでは」と恐る恐る発言したのですが、結局、「課長が言っているのだからF案が妥当ではないか」という雰囲気になり、F案を製品管理部長に提出することになりました。

 ミーティングの翌日、製品管理部長はM課長を呼び出しました。

「M君、なぜF案になったのかな? G案のように手順を大幅に組み替えれば、作業時間を25%減らすことができるし、余剰人員も出る。手が空いた社員には、長く懸案になっている業務をやってもらえばいいじゃないか」

 製品管理部長はF案もG案も資料をしっかり読み込んでいたのです。

 M課長はこう答えるしかありませんでした。

「ベテラン社員が考えたF案のほうがもっともだと思ったものですから――。G案は、若い契約社員のHさんの案だったので」

「M君、誰の案かは関係ない。問題は内容だろう!」

 M課長は製品管理部長から厳しく叱責されたそうです。

「誰が言ったか」に囚とらわれてしまうと、常に同じ人の意見が優先されるなど、意見が偏ってしまい、正しい判断ができなくなってしまう恐れがあります。

 判断を誤ると正しい状態に戻すのに、余計な時間と手間暇が生じます。

 仕事が早く終わる人は、「何を言ったのか」、発言の内容を重視します。

「この人は経験が浅いからダメ」「あの人は論理的ではないからダメ」と切り捨てるのではなく、いい意見ならどんどん取り入れるのです。

 いいアイデアは、誰が持っているかわかりません。

 そこに、経験や年齢、人格は必ずしも関係ありません。

 普段どんなパフォーマンスが悪い人が言ったことでも、内容がよければ採用する。

 それが仕事の効率をアップし、時間短縮を実現するコツの1つです。

■仕事が早く片付くコツ
人の意見は「何を言ったか」を重視しよう

<第5回につづく>