「10代はいつだって悩んでいる」。16歳のスーパーJKひかりんちょが伝える、誰かのせいにしない人生のつくりかた 連載③《恋愛編》

小説・エッセイ

公開日:2019/11/24

『ありのままの私を受け入れずに批判する奴には、心の中で中指立てればいい』(ひかりんちょ/KADOKAWA)

 学校や友人関係、親、SNS。多感な10代に悩みはつきもの。

 うまくいかない人間関係や、将来に対する不安、親との確執など、誰にもぶつけられない気持ちを抱えてモヤモヤしている子は多いのではないだろうか。

 16歳のインフルエンサー・ひかりんちょもそのひとり。

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 MixChannnelやTikTok、YouTubeなどで同世代から熱い支持を集め、SNSの総フォロワー数は100万人超え。しかし、そんな彼女も、学校生活になじめなくて不登校に、SNSではたくさんの批判を受けたりと、苦労をしてきた。

 しかし、自分を信じて、好きなことを発信し続けていると、認めてくれる人が増えてきた。

 SNSは彼女が見つけた自分の居場所。

 SNSで学んだ自身の人生を振り返りながら、同世代に力強いアドバイスを送る、生き方エッセイ『ありのままの私を受け入れずに批判する奴には、心の中で中指立てればいい』(11月7日発売KADOKAWA)を発売した。

 悩める10代のおすすめしたい1冊となっている。

■恋なんてなくても幸せにはなれます

 恋って何なのかなんて、何回何年考えてもわからない。親友の特別版? 「頼りたい」の男バージョン? いや、別に性別は関係ないかぁ。いちばん大事なのは、まず人間として、その人の事を好きかどうかだもんね。でもさ、それだけじゃ友達と変わらない。その人といたら、ふだん一緒にいる友達とちがうドキドキみたいな、感情が生まれるのも恋の条件のうちのひとつだよね。むずかしいなあ。ちょっとググってみよっかな。「恋って何ですか?」って。

 ただこれだけは言いたい。恋愛がなくても幸せにはなれる。男でしか幸せになれないわけでもない。自分のやりたい事を頑張りながら、恋をしていくのが幸せへの道! もしも、恋で自分の人生を棒に振りそうになったら、立ち止まって考えてみてくれ〜。それは、恋かもしれないけど、「幸せな恋」じゃないよ。自分の今を、相手に100%捧げなくても、支え合って、理解し合っていけるのがベストな恋だと思う!(作品より引用)

■依存してたら当たり前に病む。「彼氏と別れたら生きる意味ない」状況はつくるな

 束縛されたり浮気されたりする恋愛してたときは、当たり前に病んでた。何で病むかっていうと、依存してるからなんだよ。彼が自分の中の100%を占めちゃってるから、なくなると0になっちゃう怖さがある。居場所も拠点も彼になってた事があって、ケンカしただけで「もう生きる意味ない死ぬしかない」って。

 夜中出歩いたり、リスカしたりしちゃってた。うち、そんなキャラじゃないのにさ。完全に自分を見失ってた。そういうときって、親とか友達が「やめなよ」って言ってくれても、周りが見えなくなって人の忠告なんか入ってこないんだよね。ぜんぜん変わらない。

 心の中の彼氏の割合は、どんなに多くても60%くらいにおさめたほうがいい。依存しちゃう。ひどい事されても、ダメだとわかってても、別れられなくなる。たとえば友達の割合が30%あったら、「別れても友達いるじゃん」って思えて、心が軽いでしょ。恋に自分の人生振り回されすぎちゃダメ。男に依存しないように恋すべき!(作品より引用)

■恋に病みすぎた時期があってもOK!自分の成長につなげていこう

 エッセイの中で、ひかりんちょは自身の恋愛での失敗や、思い出を恥ずかしがることなく、さらけ出している。そしてそれらの経験が彼女の女性としての力強さを生み出しているのではないかと思うほど、大人なメッセージが同作品には詰まっている。失恋、束縛、恋に溺れた結果のメンヘラ…。さまざまな悩みにまっすぐ向き合ったメッセージ、時にグサッと刺さる言葉に共感すること間違いなしだ。

 恋をしている人だけでなく、「好きな人ができない」、「恋愛が幸せの終着点なの?」と悩む女子にも是非読んでみてほしい。他人に言えない悩みを少しでも軽くするきっかけがこの本にあるだろう。

文=平岡瑛里花、写真=神藤剛