「目立つ長所」を褒めてはいけない? /見た目で読む「人の心理」⑤

暮らし

公開日:2020/1/3

 他人の本当の気持ちはなかなかわからない。他人どころか、自分の心の状態さえ、自分自身で整理できず、もやもや漠然として言葉にできないことも多いことも多いはず。

 心や人の心理はいわば「迷宮(ラビリンス)」のようなもの。
 でも、表情や体の動き、服装など人の「見た目」を心理学的に観察すると、心のサインを読み解くことも可能だそう。タイプ別に“傾向と対策”をマスターして、人間関係がスムーズになる知識を『大人の人間関係 心理の迷宮大事典』(おもしろ心理学会:編/青春出版社)から紹介したい。

『大人の人間関係 心理の迷宮大事典』(おもしろ心理学会:編/青春出版社)

■「目立つ長所」を褒めてはいけない? その理由は…(本書274ページ)

 せっかく人を褒めるならば、ただのお世辞だと思われたくないし、できれば自分の評価も上げたいと思うもの。そのためには、「他人が褒めない長所を褒める」のが得策だという。

 たとえば、同性からも異性からもキレイだと認められている人に対して、「細やかな気配りでいつも助かってます」とか、仕事の営業成績が抜群の後輩に対しては「レポートが丁寧でわかりやすいね」など、一番目立つ長所をあえて外した褒め方だ。

 本人がそれほど意識していないところを褒めることで、「自分のことをちゃんと見てくれている」という印象や信頼感を与えることができる。その結果、褒めたあなたの株も上がるというわけだ。

 ちょっとひねくれたテクニックのように感じる人もいるかもしれないが、面と向かって人に褒め言葉を言いづらいという人にとっては、格好の方法だろう。たとえば、正面きって「美人ですね」と言うのが恥ずかしくても、「そのスマホケースかわいいね」だったら――ほら、気軽に声を掛けられるような気がしてくるじゃないか…。

『大人の人間関係 心理の迷宮大事典』(おもしろ心理学会:編/青春出版社)では不可思議で謎の多い「人の心理」を、見た目の観察から読み解くヒントを多数紹介している。周りの人が何を考えているのかさっぱりわからない、人の気持ちを先読みして物事をうまく進めたい、そう悩んだり考えたりしている方は、本書を開くことで人間関係がスムーズに動き出しそうだ。

文=田坂文