外交型が正解とされる日本社会。外交的に振る舞おうとするが…/『内向型人間だからうまくいく』④

ビジネス

2020/3/27

大人数の場が苦手、同時に複数の仕事がこなせない…。内向型人間は、話すのが苦手でも聞き上手。行動力がないように見えるのは、慎重に行動できる証拠。じっくりと仕事に取り組むことで、高い成果を出せるのです。本書では、内向型人間の長所を活かした働き方と生き方を提案します!

『内向型人間だからうまくいく』(カミノユウキ/祥伝社)

外向型が正解とされる日本社会

 そこで私は、外向的に振る舞おうと努力をはじめます。今思うと大変な間違いなのですが、ビジネスの世界では、外向的な人間のほうが優秀であり、外向的になることが正解だと考えたからです。

 この頃の私のように、「外向型になろう」と思っている内向型人間の方々は少なくないのではないでしょうか。それは、今の世の中に、外向型の人間こそが正解で、内向型の性格はマイナスであるという風潮があるためです。

 今の日本社会では、外向型であることが正しいとされています。コミュニケーション能力が高く、さまざまな人とよい関係を築ける外向型の人間が理想で、逆である内向型の性格は、どちらかというと直すべき性格だとされています。「外向的になろう」といった言葉はよく聞きますが、「内向的になろう」と言っている人に会ったことがありますか?

 また、同じように「マルチタスクをこなす能力が大切」「思い立ったらすぐ行動するべきだ」といった風潮も支配的ですが、あとで詳しく述べるように、これらの能力も内向型の性格とは相性が悪いのです。

 このように、今の世の中は総じて外向型志向が歓迎されていると言えます。

 社内には、私とは違い、外向型の性格を持つ人たちもいました。忙しく仕事をこなしながらも急な電話や部下からの相談にもしっかり対応し、たくさんの案件を素早く同時にこなす人たちです。言うまでもなく人づきあいも上手で、社内外で多くの人に好かれてもいました。

 つまり、いわゆる「仕事ができる人」たちです。そんな人たちに憧れるのが普通ですよね。

外向型になるために努力する日々

 外向型人間になろうと思った私は、まず、営業の人たちやクライアントの全員と親しくなれるように努めました。仕事に集中している最中に振られた雑談にも付き合うようにしましたし、一人で昼食をとることをやめ、上司や同僚と行くように心掛けました。

 もちろん、飲み会を断ることなどありえません。乗り気でなくても、疲れていても必ず参加しましたし、まったく興味が持てない会話にも加わるようにしました。電話への苦手意識は、電話対応が上手な先輩を真似ることで克服しようとしました。他に、コミュニケーション能力を磨くための本や、話題作りのための雑学の本を買ったりもしました。

 自分の感情を押し殺していたといえば、その通りですが、そうすることが正解であると、当時の私は考えていたのです。

 しかし、私が変わることはありませんでした。

 今思えば当然です。なぜなら、外向型か内向型かは生まれ持った性質であり、簡単に変えられるものではないからです。自分以外の人間になることなど、できるはずがありません。

<第5回に続く>