「2つの軸」を使って思考を整理! 整理する力が高まるその方法は…?/言葉を減らせば文章は分かりやすくなる③

暮らし

公開日:2020/6/8

日本語の専門家としてテレビで活躍中の著者が、「短く、わかりやすい文章」の書き方をやさしく解説。「書き出せない」「まとまらない」という文章が苦手な人から、「もっと文章スキルを上げたい」という人まで役立つテクニックが満載です。

『言葉を減らせば文章は分かりやすくなる』(山口謠司/ワニブックス)

2つの軸を使い、思考を明確にする

 私が企画書や論文を書くときにやっている、自分の頭の中を整理する方法をお伝えします。

 自分の言いたいことを、シンプルにわかりやすく文章に落とし込む準備として最適です。

 学生が論文を書くときにも紹介している技なので、難しいことではありません。

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 思考の整理に最適なのが、2つの軸を立てて考えを明確にすることです。

 軸の内容は人それぞれです。2つの軸が交差する所にあるのが、あなたが伝えたいことになります。

 たとえば、商品開発の仕事をしているのなら、「興味がある商品」の軸と、「お客さんのメリット」の軸が交差する所にあなたが開発するべき商品があります。そこで浮かび上がった商品の内容を、プレゼン資料の文章に落とし込めばいいのです。

 私の場合は、論文のテーマを絞るときにこの軸を使います。

「興味のある文献」の軸と、「興味のある時代」の軸が交差する所に、研究するべきテーマがあります。そのテーマを論文に書くのです。

日常でできる思考トレーニング

 2つの軸を使いながら、漠然と考えていることを明確にする。自分の思考の形を浮き彫りにするのです。

 初めのうちは、一つひとつの軸をイメージしづらいかもしれません。しかし、何度もこの整理法を繰り返していくと、すぐに決めることができるようになります。

 トレーニングを繰り返せば誰でも、思考を整理できます。日々、この訓練を行なってください。

 仕事に関係ないことでもいいのです。

 たとえば、洋服が欲しいときには、「シャツ」の軸と「ブランド」の軸を設定すれば、欲しいシャツが明確になります。

 日常の中で、何度も繰り返し行なうことで、思考を整理する力は高まるのです。

<第4回に続く>