お金を増やしたいなら知っておくべき投資信託のデメリット/お金は寝かせて増やしなさい④

ビジネス

公開日:2020/9/10

投資信託のデメリット② すぐに大儲けはできない

 投資信託は、たとえばある会社の株式を1銘柄だけ持っているときと比べると、価格の上昇や下落が緩やかです。それはメリットのところにあった「分散投資」の効果でもあるのですが、裏を返せば、宝くじのように人生を一発で逆転するような大儲けはすぐにはできません。

 大きな利益を上げるためには、何十年といった長い時間がかかります。
 ただし、長い時間をかければ、着実に資産形成をすることができます。
 それも、やり方次第では、ほとんど手間をかけずに可能なのです。

投資信託の99%は不要!

 少額からたくさんの銘柄に分散投資できて、制度的にも手厚く守られている初心者向きの金融商品ですが、手数料がかかるので、できるだけ低コストなものを選ぶ必要はあります。「投資信託」はそんな金融商品です。

 現在、日本には約6000本もの投資信託があります。

 この数、なんと日本の上場企業数よりも多いのです。

 たくさんの銘柄をまとめて分散投資できることが特徴の投資信託の数が、投資対象である上場企業数よりも多いのですから、普通に考えたら、これはある種の異常事態です。

 これは、過去、数十年にわたって金融業界が似たような新規設定投資信託(しかも、大半がロクでもないもの)を粗製乱造(そせいらんぞう)して、個人投資家に新商品として乗り換えをすすめ「回転売買」をさせて、購入時手数料の手数料稼ぎをしてきた名残です。

 まったくなげかわしい過去の黒歴史なのですが、これから皆さんは、実際に6000本もあるなかから自分に必要な投資信託を選ばなくてはいけません。

「そんなにたくさんあるなかから、どれかを選ぶなんてできない!」

 はい、そう思われるのは当然です。

 ところが、実はインデックス投資においては、これがすごくカンタンなのです。

 結論から言うと、買うのは「インデックスファンド」だけです。
 投資信託には大きく分けて、「インデックスファンド」と「アクティブファンド」の2種類があります。

 インデックスファンドとは、各種指数(インデックス)に連動する運用成果を目指す投資信託です。各種指数には、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、MSCIコクサイなど株式市場の動向を表すインデックスや、野村BPIなど債券市場の動向を表すインデックスなどがあります。多くの場合、「市場平均」を表しています。国内外の株式・債券・不動産など主要な各資産クラスには、それぞれインデックスがあります。

 インデックスファンドは、これらインデックスの動きにぴったり連動するように運用されます。たとえば、国内株式のインデックスであるTOPIXが1日で3%上昇すれば、インデックスファンド(TOPIX連動)も3%値上がりし、逆にTOPIXが1日で1%下落すれば、インデックスファンド(TOPIX連動)も1%値下がりします。

 一方、アクティブファンドとは、インデックスを上回る運用成果が得られるように、専門家が投資先や売買のタイミングを判断して運用を行う投資信託です。

【次回に続く】