おもしろさを決めるのは誰? 話し方は相手を見て変えよ/話のおもしろい人の法則①

ビジネス

更新日:2020/10/5

おもしろい人とつまらない人は、ここが違う! さまざまなヒット商品や人気番組の仕掛人が教える、話しベタでも人の心を“ワシづかみ”にできる話し方を『「話のおもしろい人」の法則』(野呂エイシロウ/アスコム)よりご紹介します。


話のおもしろい人は、相手に合わせて話し方を変える

つまらない人は、どんな相手にも同じ話し方をする

 ◇ ◇ ◇

何かを売り込もうというとき、相手のニーズを聞かず、闇雲に自分が売りたいものを売ってもうまくは行きません。ミスマッチが生まれやすくなるからです。

たとえば、僕が放送作家として『奇跡体験!アンビリバボー』(フジテレビ)などのテレビ番組の企画会議で、自分のアイデアをプレゼンするときは、次のいずれかのキャッチフレーズを使います。

A「これ、某局で視聴率15%をとった企画のアレンジなんですが……」

B「これ、まだどこの局もやったことがない企画なんですが……」

どちらのフレーズがおもしろそうで、どちらがつまらなそうかを決めるのは、僕ではなくプロデューサーです。手堅く2ケタの視聴率を狙おうと思うのか、大コケのリスクを冒しても20%超えに挑戦するのか。それは相手が判断することなのです。

たとえば商品をPRする場合、次のどちらがあなたの心に「刺さる」でしょうか?

A「テレビで続々紹介され、いま話題沸騰中の商品です!」

B「知る人ぞ知る商品です!」

Aは、周囲と同調することを好む層の心に刺さるキャッチです。収入面でグループ分けすると、平均的かそれ以下にある人々は、一般的にみんなが持っているもの、すでに流行っているものを持ちたがる傾向があります。一方、Bのキャッチが刺さるのは、相対的に高収入の層です。彼らは持ち物に個性を持たせたがる傾向があり、多くの人が持っているもの、すでにブレイクしているものを陳腐と感じます。

つまり、どのような層にアプローチするかで、正解は変わってきます。

ジャッジするのは誰?

あなたは「何を、どう話せばいいのか」ということばかり考えているはずです。しかし、それ以上に大切なのは、「相手が何を望んでいるのか」を考えることです。あなたの話がおもしろいかどうかをジャッジするのは、あなたではない。相手です。ということは、相手の望みや性格を知っておく必要があるわけです。

僕は、クライアントに合わせて、話し方も、話の中味も使い分けます。自分の意見を言うときもあれば、まったく表に出さないときもある。さらには、相手が同じ人でも、そのときの状態を見て、話し方を変えることもあります。

相手が僕に意見を求めていると感じれば、自分の意見を話しますが、相手に明確な結論があり、同調や後押しを望んでいるようであれば、「それでいいと思います!」と断言して、見落としやミスがないかどうかだけを指摘します。

会話の達人になるためには、何を話すかよりも、相手の「波長」によって話し方を変えられるかどうかがポイント。だって、おもしろいかどうかを決めるのは、相手なのですから。だから、相手の状態や好み、性格を観察し、見極めることがとても大切になってくるのです。

【ワシづかみポイント】

おもしろいかどうかを決めるのは相手

話し方は相手の「波長」によって変化させよう

【次回に続く】