新型コロナは動物から人間にうつった!?/こどもSDGs なぜSDGsが必要なのかがわかる本②

社会

更新日:2021/3/17

「SDGs」についてどれくらい理解は深まっていますか? 本書は世界が直面する解決すべき問題、そして私たちの生活との関連をわかりやすく解説。専門的な言葉もやさしく説明しているので、大人にもわかりやすいSDGs入門書です。

こどもSDGs なぜSDGsが必要なのかがわかる本

新型コロナは動物から人間にうつった!?

 新型コロナウイルスは多くの人の命を奪いました。感染拡大を防ぐために、世界中の人々が「ステイホーム(家にいよう)」を合言葉に、外出を自粛したのは記憶に新しいところです。

 新型コロナウイルスの感染源ははっきりしていませんが、世界保健機関(WHO)が人にとっての病原菌の少なくとも61%はその起源が人獣共通と指摘しており、新型コロナウイルスも動物由来が疑われています。コウモリ由来のウイルスがセンザンコウに移り、そこから人間に感染したと考える学者もいます。中国やベトナムでは、センザンコウのウロコが伝統薬の材料として使われているのです。

 従来、野生動物は人間が住むエリアには姿を見せませんが、人間が森林伐採をしたり、気候変動を引き起こしたことなどによって、野生動物の棲む場所が減少しています。困った野生動物がエサを求めて人里に現れるケースも増えています。人間と野生動物の距離が必要以上に近づいてしまったことで、ウイルスの感染リスクがかつてより高まっていると指摘する声もあるのです。

知っておくべきコトバ

WHO(世界保健機関)
基本的人権である「人間の健康」の達成を目的として設立された国際連合の専門機関。世界の国々が出し合う資金や各種団体の寄付金で運営されています。2020年6月現在、エチオピア人のテドロス・アダノム氏がWHOのトップである事務局長を務めています。

テドロス事務局長
Alexandros Michailidis / Shutterstock.com

<第3回につづく>