お金は「おっかねー」もの。ギャグかと思いきや…会社の先輩から言われた言葉の真意/14歳の自分に伝えたい「お金の話」③

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公開日:2021/7/2

藤野英人著『14歳の自分に伝えたい「お金の話」』から厳選して全11回連載でお届けします。今回は第3回です。「僕らのお金の使い方」が“社会の未来”を左右する――。稀代の投資家が「14歳の自分」に伝えたくなった、お金に使われず、お金で苦労しないための「考え方」とは? 一生役立つ「お金の話」が詰まった、老いも若きも必読の一冊です。

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14歳の自分に伝えたい「お金の話」
『14歳の自分に伝えたい「お金の話」』(藤野英人/マガジンハウス)

人の幸せを左右する「おっかねー」もの

 一方で、お金は「おっかねー」ものでもあります。

 おやじギャグだと笑わないでくださいね。これは僕が初めて就職した会社で、実際に先輩から言われた言葉です。その会社は、お客さんから預かった巨額のお金を使って投資する会社で、先輩は預かり金の運用を任されるファンドマネージャーという仕事をしていました。

 変なギャグを言う先輩だなと思ったけれど、10年くらい仕事を続けていると「たしかに、先輩が言ったとおり、お金は〝おっかねー〞ものだな」と、その意味がわかるようになりました。

 

 先ほどお話ししたように、お金は未来の自由な選択を可能にする素敵な缶詰です。しかし、だからこそ争いの元にもなる。たくさんのチャンスを運んでくれると同時に、それを欲しがる友達と喧嘩になったり、国同士が戦争を起こしたりするきっかけにもなる。

 世界で今起きている戦争は、「お前だけ富を独占するのはずるい」「いや、譲らない」といった経済的利権の争いが引き金になっている場合がほとんどです。会社だって、どんなに仲がいいチームで働けていたとしても、お金が尽きてしまうと解散するしかなくなってしまう。

 

 人々の幸せを大きく左右する、おっかねーもの。それもまたお金の本質です。だから、取り扱いには要注意。

 でも、お金がチャンスもリスクも呼ぶものだとよく理解して丁寧に向き合うことができたら、きっと君の人生の味方になってくれる。

 缶詰の中身を豊かにするかどうかは自分次第。そんなお金が、僕は好きだし、実に面白いなあと思うのです。

<第4回に続く>

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