夢が先か、お金が先か。大成功を収めた人たちの共通点/14歳の自分に伝えたい「お金の話」⑪

暮らし

公開日:2021/7/10

藤野英人著『14歳の自分に伝えたい「お金の話」』から厳選して全11回連載でお届けします。今回は第11回です。「僕らのお金の使い方」が“社会の未来”を左右する――。稀代の投資家が「14歳の自分」に伝えたくなった、お金に使われず、お金で苦労しないための「考え方」とは? 一生役立つ「お金の話」が詰まった、老いも若きも必読の一冊です。

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14歳の自分に伝えたい「お金の話」
『14歳の自分に伝えたい「お金の話」』(藤野英人/マガジンハウス)

夢が先で、お金は後

 もっとお金持ちの家に生まれたらよかったのに。

 そんなふうに思ったことはないですか?

 君の家もごく平均的な共働き家庭だから、欲しいものをすぐに買ってもらえる中学校の同級生のことをうらやむこともあるよね。

 

 僕が大学生になって地方から上京したときには、お金持ちの都会っ子がかっこいい車に乗っていたり、その車で女の子をレストランに連れて行ったりしていて、コンプレックスを感じていました。

 社会人になるスタート時点でお金をたくさん持っているかどうかで、その後の人生の成功にも大きく影響するんじゃないか。

 そんな不安を抱えていたのです。

 

 でも、現実にはそうではないと、今はハッキリと言えます。むしろ、「もともとお金持ちじゃないのに大成功を収めている人はたくさんいるぞ」と、当時の僕に教えてあげたいくらいです。

 信じられないですか? これは本当なんです。

 例えば、前澤友作さんという人がいます。ファッションECサイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を展開するZOZOを創業して急成長させた人です。

 前澤さんは2019年にはZOZOをソフトバンクグループのヤフーに売却して約1000億円の資産を得ました。今は、そのお金を元手に新たなチャレンジを始めていて、宇宙旅行の夢も実現しようとしています。1000億円が一度に銀行口座に入るなんて、どれだけ長い桁数になるのでしょうね。

 前澤さんのことを昔から大金持ちだと思っている人は多いかもしれませんが、実は彼は貧乏だった時代がとても長かったのです。

 決して裕福とは言えない子ども時代を過ごした彼は、ミュージシャンを目指していましたが、なかなか芽が出ませんでした。

 今はCDを買う人も少なくなってしまったけれど、少し前までは、音楽を聴きたいときはCDを買うのが一般的でした。

 前澤さんも自作の音楽をCDに録音して売ろうとしたけれど、思うように売れなかったそうです。

 そこで、絵を描くのも好きだった前澤さんは、新しいCDを制作する費用を稼ぐために、自分で描いた絵をデザインしたTシャツを制作、販売することに。それが「ZOZOTOWN」のルーツとなったというストーリーです。

 どうしても好きな音楽を続けたいという夢が、貪欲にお金を稼ぐ行動力に結びついていったのですね。

 

 前澤さんだけでなく、世の中で大成功を収めた人たちに共通するのは、「お金よりも夢を先に持っていた」ということ。「この夢をなんとか叶えたい」と強く望む気持ちが努力を生んで、「そんなに熱心な君を応援したい」という人も集まってくる。その結果として、お金も集まってくる。

 お金があるから夢が叶うのではなくて、夢があるからお金が集まる。夢が先で、お金は後。この順番なんだってことを、ぜひ覚えておいてほしい。

<続きは本書でお楽しみください>

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