さみしさは人を無彩色にする/大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした②

文芸・カルチャー

公開日:2021/9/5

韓国国内著者累計55万部突破、「BTSおすすめの作家」としても話題のクルベウ氏による『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』(ダイヤモンド社)。
日本でも6万部を超え、「疲れているとき、つらいときに読みたい」「優しい言葉に癒される」と話題になっています。
本書から、いま、大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをしているあなたに届けたい5編を、全5回で紹介します。

大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした
『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』(クルベウ:著、藤田麗子:訳/ダイヤモンド社)

さみしさは人を無彩色にする

さみしさは人を無彩色にする。
おいしいものを食べても味がわからなくなり、
これと言って食べたいものも思い浮かばない。
好きなことをしても、楽しく素敵な感情が起こらなくなる。

感情が無彩色に変わってしまうと
幸せそうに暮らしている人を見たとき、
彼らとはちがう自分がいっそう孤独に感じられる。

さみしいからと言って、
無理にあれこれ新しいことを始めて
孤独を忘れようとしてはいけない。
ほんの少しの間は気が紛れるかもしれないけれど、
再びさみしさに襲われて、身体と心が疲れてしまうだけだ。

さみしいのは、
あなたがひとりでとても遠くまで来たからだ。

ひとりでひたすら仕事を一生懸命にこなそうとして、
ひとりで何らかの成果を出そうとして、
自分と合わない人々から遠く離れようとして。

生きていれば、そんな日が訪れることもある。
さみしさを感じざるを得ない日々が。

そんなときは

ゆっくり
ゆっくり
通い慣れた場所、慣れ親しんだ人、
なじみのある何かの元に
戻ってみることをおすすめする。

慣れた場所で無理をせずに過ごせば、
さみしさから抜け出して、
安らかな気分を感じることができるだろう。

大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした
イラスト:福田利之

<第3回に続く>

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