「チョコチップマフィン」を食べて号泣する女性。おばあちゃんとマフィンの思い出とは…／泣きたい夜の甘味処⑤

　中山有香里著の書籍『泣きたい夜の甘味処』から厳選して全6回連載でお届けします。今回は第5回です。真熊と鮭が営む夜だけひっそりと営業する一軒の甘味処。そこで提供しているのは、温かいお茶と甘いものが一品のみ。仕事が上手くいかず落ち込む夜、愛する人を想い寂しい夜など、今夜も疲れて泣きたい人々が迷い込む…。『泣きたい夜の甘味処』は、優しい甘味が心を癒し、お店を出る人をちょっと元気にしてくれる、温かくて少し切ない珠玉の物語です。店の前で泣いていた女性を招き入れ、出したのはチョコチップマフィン。おばあちゃんとの思い出を重ねて女性は涙が止まらず…。