“かわいい言い方”を身につけて、みんなから好かれる人を目指そう/なぜか感じがいい人の かわいい言い方

ビジネス

公開日:2022/2/24

 社会はコミュニケーションがすべてです。

 言うことが「正しい」か「正しくない」かよりも、

 その人のことが「好き」か「嫌い」かで決まります。

 

 自分ひとりでがんばる人よりも、

 大勢から「声をかけてあげたい」「手伝ってあげたい」「大目にみてあげたい」

 と思ってもらえる人の方が、物事をはるかにうまく進められます。

 

 では一体、どんなコミュニケーションをすれば、

 〝みんなから好かれる人〞になれるのでしょうか。

 

 ぼくは夢実現コーチとして、

 コミュニケーションの専門家として、

 またひとりのビジネスパーソンとして、

 これまで何十万人という人たちとつながってきました。

 

 そしてその中で気づいた

 コミュニケーションで一番大切なことは、

 「うまく話そうとする」

 ことよりも

 「なにを感じているかを話そうとする」

 ことの方が大事だ、ということです。

 

 たとえばこんな場面を想像してください。

 取引先のAさんとBさんがあなたのために力を尽くしてくれたとします。

 あなたが「ありがとうございます」とお礼の気持ちを伝えたところ、

 AさんとBさんから次のような返答がありました。

 

 Aさん「当然のことをしたまでです」

 Bさん「◯◯さんに少しでもほめていただきたくて」

 二人の言い方を比べてみて、あなたはどのように感じましたか?

 

 Aさんの言い方は、いわゆる「大人の言い方」です。

 社会人のマナーとして決して間違いではなく、悪い印象を受けることはないでしょう。

 一方で、Bさんの言い方は社会人のマナーとしては微妙と感じるでしょうか? ちょっと子供っぽい印象を受けた人もいるかもしれません。

 それでもBさんの言い方に、なんとなく親しみを感じないでしょうか。

 なぜならBさんの言い方は〝一次感情〞を表現したものである一方、Aさんの言い方はその感情を隠しているからなのです。

 

 〝一次感情〞とは最初に生まれる感情で、言わば「悪気のない下心」のこと。

 父と娘のこんなやり取りがあったとしましょう。

 夜遅くに帰ってきた娘に向かって「ばかもーん! 何時だと思っているんだ!」と怒鳴らせるのは〝二次感情〞の仕業です。すると娘の方も「私だっていろいろあるのよ!」と反発してしまう。これも〝二次感情〞からくるものです。

 でもお父さんの〝一次感情〞はきっと、「心配だったんだ。帰ってきてよかった。なにかあったらどうしようと思ってつらかったんだ」だと思います。

 その気持ちをそのまま伝えることができたら、きっと娘の方も「ごめんね。心配しているだろうなと思っていたんだけど、スマホの電池が切れちゃって電話できなかったんだ」という風に〝一次感情〞でこたえてくれたはずです。

 

 同じようなことが日常生活のあらゆる場面にも当てはまります。

 「御社のメリットを一番に考えましたので」「あなたのためを思って言っているの」「予定がいっぱいで、行けなくて申し訳ございません」など、はっきりと嘘ではないのだけれど、なんとなくしっくりこない言葉ってありますよね。これらは一般的に「建前」と言われる、〝一次感情〞を覆い隠した言葉です。

 ぼくは、大人になると7割以上の会話が、そんな建前で成立していると思っています。でも決して悲観しているわけではありません。みんなが建前で話す世の中だからこそ、勇気を出して〝一次感情〞を伝えることができれば、逆に相手とぐっと近くなれるチャンスだと思っているのです。

 

 自分が感じていることを、そっくりそのまま伝えればいい。

 「それができたら苦労しないよね……」と感じている人が大多数でしょう。

 そこでこの本ではコミュニケーションが難しいとされる「挨拶する」「依頼する」「お断りする」「返事する」「提案する」「注意する」「謝罪する」「気配りする」という8つのシチュエーションにおいて、〝感じのいい人〞がどんな言葉を選んでいるのか、99の実例をもとに解説していきます。

 

 どの言葉もただ口に出すだけで、相手を一瞬で「素の自分」に変えてくれる魔法の言葉です。

 べつに棒読みだって大丈夫。はじめは照れくさいかもしれません。ついつい昔のクセが出てしまう人もたくさんいるでしょう。

 でもどんな言葉もしばらく使っていれば、いずれ自分自身のものになります。

 そしてこれから出会う人は、そんな言葉を使うあなたが、あなた自身だと認識するはずです。

 

 するとそのうちに人間関係に3つの変化が起こります。

 ひとつ目は、チャンスがやってくるようになります。

 すごい仕事、すごい体験、すごい紹介のチャンスなどが、思わぬところから舞い込むようになります。また、自分がやりたいと思っていることをサポートしてくれる人も現れるようになるでしょう。

 ふたつ目は、情報が集まってくるようになります。

 次々とやってくる新鮮な情報のおかげで、つねに「やりたいこと」があふれる状態になります。

 3つ目は、自己肯定感が増します。

 みんなに好かれれば、当然自分のことも好きになります。人と話すことが楽しくなりますし、今まで恐れ多かったような人とでも話せる自信がつきます。

 

 ほんの小さな言葉の積み重ねが、自分の知らないところで「あの人にお願いしてみよう」「あの人の頼みだから聞こう」「あの人にだけ教えてあげよう」と思ってくれる人を増やしてくれる。

 そういうのってワクワクしませんか?

 

 〝すごい人にかわいがられた人が、次のすごい人として世に現れる〞

 これは歴史上、どの時代にも当てはまる法則です。

 目上の人はもちろん、目下の人にもかわいがられる。出会う人みんなにかわいがられる。知らない人にもかわいがられる。

 〝かわいい言い方〞を習得して、そんな〝かわいい自分〞をめざしてください。

山﨑拓巳

<第2回に続く>


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