「優勝は目指さない」会見で放った衝撃の一言。そこにある新庄流の真意とは?/スリルライフ

スポーツ・科学

公開日:2022/3/27

Q4 意外と丁寧、意外と礼儀正しいと言われませんか?

自分も楽しむけど、
まわりの人にはもっと楽しんでほしい

 しょっちゅう言われます。みんな僕のことを、相当無茶苦茶な人間だと思っているんですかね? 昔から話し方は丁寧だったと思います。礼儀に関しては、親の躾がよかったんでしょうね。僕がぶっ飛んだことをやってもそれほど怒られないのは、ちゃんと礼儀を通すからかもしれません。親父からいつも「相手のことを考えて行動しろ」と言われて育ったので、自分のことで人に迷惑はかけたくない。

 自分が楽しければいい、自分さえよければいいという考えは、まったくないです。自分も楽しむけど、まわりの人にはもっと楽しんでほしい。いつもそんなふうに考えて行動しています。

Q14 変人、宇宙人と呼ばれることをどう思っていますか?

宇宙人も考えつかないことをバンバンやっていきたい

 最初にそういうことを言い出したのは、タイガース時代の野村監督。若いころは、嫌でしたね。ルールを守れない、おかしな人間だと言われているような気がして。でもいろいろ自分も経験を積んで、物事を考えられるようになると、宇宙人というのは、他の人とは違う考え方、アイデアを持っていて、さらにそれを実行できる人間なんだと思えるようになってきた。きっと野村監督が言いたかったのは、そういうことなんだろうと。そう考えたら、この呼び名も悪くないなと思い始めました。

 今では慣れてしまったし、むしろそういうイメージを利用しているようなところもありますが、できればこれからさらに上をいきたいですね。宇宙人も考えつかないようなことをバンバンやっていければと思っています。

Q16 新庄剛志は天才ですか?

僕は天才でも、天然でもなく、
計算して、準備して、物事を進める人間

 天才ではないと思っています。身体能力的は、かなり恵まれたほうだったと思います。もともと足と肩には自信があったし、プロ野球選手のなかでもトップクラスでした。でもそれは持って生まれた肉体だけでなく、僕が子どものころからプロ野球選手を目指して、誰よりも練習をしてきた結果。守備に関しては、世界一だったという自負がありますが、それも練習と経験を積み重ねたからこそだと思っています。

 打撃に関しては、高校時代もプロになっても、メジャーに行っても常に2割5分程度。それでも通算1524本のヒットと225本のホームランを打っているので、センスは悪くなかったと思いますが、ムラも多かった。コンスタントに3割30本打てるような天才ではありませんでした。

 かといって、なんでもひらめきや思いつきでやってしまうような天然の人間でもありません。1999年のタイガース時代に敬遠球をサヨナラ安打にしたのも、事前から準備した結果だったし、ファイターズ時代のさまざまなパフォーマンスもしっかりと準備や根回しをし、相手投手との相性を考えたうえで、勝てそうな試合のときだけやるようにしていました。

 天才とか天然だと思われていたほうが警戒されないので、あまり言いたくありませんが、僕はしっかりと計算して準備して物事を進める人間だと、自分では思っています。

<続きは本書でお楽しみください>


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