仕事ができる人は「先送りせず、ムダなことに時間をかけない」。時間の使い方がうまくなるコツとは/「速く」「短く」「感じよく」メールを書く方法

ビジネス

更新日:2022/7/20

06 早帰りができるようになる

 皆さんはきっとたくさんの仕事を抱えていることでしょう。メールに専念しすぎると、思いのほか時間を取られてしまい、やるべき仕事ができなくなってしまいます。これは本当にもったいないことです。

 メールなくして仕事は進みませんが、できるだけメールの時間を減らして、ほかの仕事をしましょう。もっとあなたの強みを活かして、あなたしかできないことをやり、正当な評価をもらってほしいのです。

 メールの時間を減らすためには、2つやることがあります。

 1つ目は、書く時間を減らすことです。

 2つ目は、メール処理に費やす全体の時間を減らすことです。

 まずは一日の中で、メールの処理にどれくらい時間をかけるか、計画してください。

 朝9時から夕方6時まで働くなら、昼休憩を除くと実稼働は8時間です。8時間のうち、メール処理に費やす時間が少なければ少ないほど、本来やるべき仕事の時間を増やすことができます。

「メール処理」という言葉を使ったのは、メールの仕事は作業に近いためです。もちろん重要な仕事にかかわるものもありますが、さほど重要でないものもあります。軽微な仕事に時間をかけても、あまり評価につながりません。

 メールをテキパキと処理するためには、要領のよさも必要です。要領という言葉は小賢しいという悪いイメージを与えるかもしれませんが、決してそうではありません。仕事にメリハリをつけるという意味です。

 というのは、届いたすべてのメールを熟読して、丁寧に返信していたら、あっという間に定時となり、ほかの業務に支障をきたしてしまうからです。短い時間で処理するには、思い切ってやらないことを決めたり、捨てる勇気も必要です。

 メールに振り回されてはいけません。あなたが舵を取るのです。そのためメールに優先順位をつけたり、返信すべきものと返信しなくてよいものをキッチリ分けたりしてください。

 成果を出して、早帰りができる人になりましょう。

07 書く仕事が好きになる

 メールの研修をすると、「書く仕事が苦手です」という参加者の方が約8割います。あなたはいかがですか?

 メールが届くたびに、「は~あ」とため息をつきたくなる。そんな毎日がこの先もずーっと続くとしたら、ストレスは増すばかりです。

 書くことが苦手な原因の1つとして、うまく、かっこよく書こうとして、あれこれ考えすぎていることが挙げられます。同僚には書けないような、ボキャブラリーがあって、スマートな言い回しがあり、今どきのビジネスカタカナ用語が出てくるようなメールを書きたいと思っていませんか。

 ハッキリ言います。メールはうまく、かっこよく書かなくていいんです!

 難しい言葉なんて使わないでください。言いたいことが伝われば十分なのだと、ハードルを下げましょう。むしろ平易な言葉で、誰にでもわかりやすく伝わるメールが喜ばれるのです。

 ビジネスパーソンの多くは、書くことが本業ではありません。プロの小説家やエッセイストなら原稿料や印税で生計を立てますが、ビジネスパーソンは仕事をするためのコミュニケーション手段としてメールを利用します。書くことの目的が異なるのです。

「文才はありません。文章を書くトレーニングを受けたこともありません」

 これは、大手新聞社の若手記者が話してくれたことです。彼から取材を受けたとき、「あなたのような文章を書くには、どうしたらよいですか?」と、私がたずねた際の答えでした。

 文章が不特定多数の人に読まれる記者でさえ、テクニックを追求していないのです。目から鱗が落ちました。上司からは「事実が正しく伝わるように、誰が読んでも同じ解釈になるように書いてください」とだけアドバイスされているそうです。

「書くのが苦手」なのは、きっと思い込みにすぎません。ちょっとしたコツさえ押さえれば、どなたでもわかりやすく書けるようになります。

<第3回に続く>


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