心から応援したくなっちゃう“あざと女子”のまっすぐな恋物語!『あざ恋』/マンガPOP横丁(114)

マンガ

公開日:2022/6/17

あざ恋
あざ恋』(倉地よね/講談社)

 最近話題になることが多い“あざとい女性”。これをテーマにしたTV番組などで盛り上がることも多いが、自分はあまり身近ではなかったのでこの機会にちゃんと知ろうとネットで調べてみた。ざっくりだが「異性の気を惹こうと計算ずくでアピールしてくる人のこと」という意味で、とあるサイトではかつての“ぶりっ子”とか“小悪魔”はこの一部、と説明があった。正しいかはどうかさておき、ぶりっ子とか小悪魔でなんとなくイメージができた(たぶんそれらが盛り上がっていた世代だからだろう)。


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 さて、みなさんはそんな“あざと女子”にどんな印象をお持ちだろうか? 今回ご紹介する『あざ恋』(倉地よね/講談社)では、周りからあざと女子認定された女の子が全力で恋をする青春ラブコメ、なのだが、これが非常に健気で、「周りの女子にこの子の頑張り、伝われぇぇぇ~!」と叫びたくなり、応援したくなる物語なのだ。

 高校2年生の朝戸真純は、今日も憧れの人であるバスケ部所属の先輩・湊晄一に思いを寄せながら、こっそり体育館へ練習をのぞきに行く。体育館の隅っこで目立たないように湊先輩を見守る真純。しかし湊先輩のシュートが決まるとついつい声が出てしまい、湊先輩が彼女へ視線を向けると、同じく湊先輩を応援している別の女子たちから冷たい視線が送られてしまう。というのも、真純には“ある噂”が囁かれていたからだ。それは、「朝戸真純は“あざと女子”」ということ――。これが彼女にとって最大の悩みの種で恋の障害だった。

 他の人よりも感情の表現が豊かなために勘違いされた結果「あざとい」と言われてしまい、一歩踏み出せない毎日。これは宿命なのか……!? 真純は部屋の壁にあざとい行動の禁止ルールを書き、自分を戒めていた。しかし無意識に禁止行動をとってしまい涙する。そこに手を差しのべる男子が現れた。彼は“あざと男子”と認知され、しかしその対応の明るさからむしろ人気者である、湊先輩の後輩・門司だった。彼に湊先輩への想いと悩みを打ち明けると、積極的に手助けしてくれて……。門司との出会いをキッカケに真純のまっすぐな恋が動き出す。

 門司という強力な助っ人のおかげで真純は全力で湊先輩との恋に挑戦していく。その一方で、真純はラッキーな場面に出くわすタイプのようで、学食で湊先輩がいるテーブルだけ席が空いているとか、そもそも湊先輩の後輩である門司と出会ったこともラッキーのひとつ。彼女に次々と訪れる“奇跡のチャンス”にドキドキすること必至だ。

 心から応援したくなっちゃう“あざと女子”真純の姿から、あなたも一歩を踏み出す勇気がもらえるかも!?

文&手書きPOP=はりまりょう

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文・手書きPOP=はりまりょう

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