津村記久子を初めて読むならこの5冊! 【祝・2024年本屋大賞ノミネート】

文芸・カルチャー

公開日:2024/2/21

単行本『水車小屋のネネ』(毎日新聞出版刊)が2024年本屋大賞にノミネートされ、大注目の作家・津村記久子さん。
2005年に『マンイーター』(のちに『君は永遠にそいつらより若い』に改題)でデビューして以来、独自の世界観でさまざまな作品を描き続けてきました。
第140回芥川賞を受賞した『ポトスライムの舟』をはじめ、数々の受賞経験をお持ちの津村さんですが、本屋大賞にノミネートされるのは今回が初めてです!
この機会に「作品を読んでみたい!」と思っている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、カドブン編集部が「初めて読む津村記久子作品」としておすすめのタイトルを厳選しご紹介!
気になる1冊を見つけてみてくださいね。

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津村記久子を初めて読むならこの5冊!

アザミよ、ヘッドホン1個ひっかけてどこへ行く――情けなくって愛おしい、極上の青春小説。
『ミュージック・ブレス・ユー!!』(角川文庫刊)

「音楽について考えることは将来について考えることよりずっと大事」な高校3年生のアザミ。進路は何一つ決まらない「ぐだぐだ」の日常を支えるのはパンクロックだった! 第30回 野間文芸新人賞受賞作。

(KADOKAWAオフィシャルHPより)
発売日:2011年6月23日(2008年6月刊行の単行本を文庫化)
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/201009000052/

第140回 芥川賞受賞! こんな生き方、働き方もある。新しい“脱力系”勤労小説
『ポトスライムの舟』(講談社文庫刊)

29歳、工場勤務のナガセは、食い扶持のために、「時間を金で売る」虚しさをやり過ごす日々。ある日、自分の年収と世界一周旅行の費用が同じ一六三万円で、一年分の勤務時間を「世界一周という行為にも換金できる」と気付くが――。ユーモラスで抑制された文章が胸に迫り、働くことを肯定したくなる芥川賞受賞作。

(講談社オフィシャルHPより)
発売日:2011年4月15日(2009年2月刊行の単行本を文庫化)

芥川賞作家が瑞々しく描き出す、不器用な私たちのまっすぐな祈りの物語。
『これからお祈りにいきます』(角川文庫刊)

人型のはりぼてに神様にとられたくない物をめいめいが工作して入れるという奇祭の風習がある町に生まれ育ったシゲル。祭嫌いの彼が、誰かのために祈る――。不器用な私たちのまっすぐな祈りの物語。

(KADOKAWAオフィシャルHPより)
発売日:2017年1月25日(2013年6月刊行の単行本を文庫化)
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/321605000337/

転職のたび世界はめくるめく一変する。すべての働く人の今を励ますお仕事ファンタジー。
『この世にたやすい仕事はない』(新潮文庫刊)

「一日コラーゲンの抽出を見守るような仕事はありますかね?」ストレスに耐えかね前職を去った私のふざけた質問に、職安の相談員は、ありますとメガネをキラリと光らせる。隠しカメラを使った小説家の監視、巡回バスのニッチなアナウンス原稿づくり、そして……。社会という宇宙で心震わすマニアックな仕事を巡りつつ自分の居場所を探す、共感と感動のお仕事小説。第66回 芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。

(新潮社オフィシャルHPより)
発売日:2018年11月28日(2015年10月に日本経済新聞出版より刊行された単行本を文庫化)

誰かに親切にしなきゃ、人生は長く退屈なものですよ――2024年本屋大賞ノミネート作!
『水車小屋のネネ』(毎日新聞出版刊)

18歳と8歳の姉妹がたどり着いた町で出会った、しゃべる鳥〈ネネ〉
ネネに見守られ、変転してゆくいくつもの人生――
助け合い支え合う人々の40年を描く長編小説

(毎日新聞出版オフィシャルHPより)
発売日:2023年3月2日

プロフィール

津村記久子 (つむら・きくこ)
1978年大阪府生まれ。『君は永遠にそいつらより若い』(「マンイーター」改題)で第21回太宰治賞を受賞し小説家デビュー。『ミュージック・ブレス・ユー!!』で第30回野間文芸新人賞、『ポトスライムの舟』で第140回芥川賞受賞。2011年『ワーカーズ・ダイジェスト』で織田作之助賞、2013年「給水塔と亀」で川端康成文学賞、2016年『この世にたやすい仕事はない』で芸術選奨新人賞、2017年『浮遊霊ブラジル』で紫式部文学賞を受賞。