あなたの働き方は確実に未来に繋がっている 「半径5メートル」を変える女性の働き方改革

ビジネス

2018/3/3

『働く女子のキャリア格差(ちくま新書)』(国保祥子/筑摩書房)

 女性の働き方を変えるメソッドは今の世の中に多く登場している。それでも「自分の環境ではまだ実現できていない」と考えている女性も多いだろう。

『働く女子のキャリア格差(ちくま新書)』(国保祥子/筑摩書房)の著者は、その理由を、現在が「過渡期」だからだと説明する。今まさに女性の働き方がシフトしている最中だからこそ、問題や矛盾が残っていると感じるのだ。

 著者は、自分の半径5メートルを変えることが次世代に希望を与える、という。社会の構造はそう簡単に変えられなくても、個人が自分たちの小さな環境を変えることで、それが大きな輪となり、理想の労働環境を次世代に与えることができるというのだ。

 つまり、今の女性たちは大きな役割を担っているということになる。

 本書から、女性が理想の未来を作るための「考え方」をいくつか紹介したい。

■自分が「ルールを作る側」になる

 女性が男性と同じように働く権利を持ってまだ30年ほどしか経っていない。育児休暇を当たり前のように取ることができるようになったのも、ここ十数年ほどだ。「先輩たちは、そもそもの選択肢すら与えられていなかった」という。

 その先輩たちが「手に入れたい未来」が今の状況である。今現在は、その先輩たちの恩恵を受けている。そして、今度は私たちが次世代のために明るい未来を作る側になると考えると、なにか、ささやかな希望が湧いてくるものだ。

■手間と愛情という「呪い」を捨てる

「家事は完璧にやらなくてはいけない」という考えがどこかにないだろうか? その姿を子どもたちは見ている。つまり、それは自分の子どもにも将来同じことをさせる「呪い」になるのだ。

 呪いは自分のところで手放すことが肝心だ。完璧にしなければいけないという思いを捨て、そこで生まれた余裕と時間で子どもに向き合えば、子どもも充足感を得ることができるだろう。家事を思いきってアウトソーシングするのも手だ。

■「活躍」ができなくても、抗い続けること

「活躍できていないのなら、労働環境を変えようという言葉に説得力はない」と思っている女性もいるかもしれないが、たとえ自分の思うような活躍ができなくても「抗い続ける」ことが重要だという。本格的に「ぶら下がり社員」になってしまえば、元の道には戻りにくい。現状で満足していないという声を上げることが肝心だ。

 自分は十分に活躍できていないと思っても、「家庭を守りつつ、働き続けている」という自負が必要だ。社会に少しずつそういう人間が増えていけば、それが次の世代の当たり前になるかもしれないのだ。

■自己投資は裏切らない

 著者によると「どんな未来になっても自分は何とか生きていける」という自信は大きな助けになるという。その手段として、勉強を積み重ね知識や経験を蓄えたり、社内外にネットワークを作ったりすることが有効だという。

「自分の味方が世の中にいる」という事実は自信に繋がる。知識やネットワークを使ってステップアップすれば、小さな達成感を積み重ねることができ「自分の足で世間をしっかり渡っている」という強い気持ちが生まれるだろう。

 女性の働き方にとって過渡期である今はまだまだ問題や矛盾はある。しかしながら、「この過渡期が未来に繋がっている」というように考えると、ずいぶんポジティブに捉えることができるのではないか。

 個々の小さな歩みが、今後多くの女性の生き方を助けることになるかもしれない、そう思わせてくれる1冊だ。

文=女生徒