きつい食事制限なし! 「もち麦」を食べるだけの驚愕ダイエット!!

健康・美容

更新日:2018/7/30

『2週間で体が変わる「もち麦」ダイエット』(小林弘幸/KADOKAWA)

 今年の夏こそダイエットを成功させたい人、なかでも食事を変えることで効率的にダイエットをしたい方に注目してもらいたいのが「もち麦」。『2週間で体が変わる「もち麦」ダイエット』(小林弘幸/KADOKAWA)は、日々の食事にもち麦を取り入れることで、食餌制限なしでやせられる方法を教えてくれる1冊だ。

 著者は順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏。日本で初めて便秘外来を開設した「腸のスペシャリスト」で、消化管機能不全や便秘症の治療に定評がある。便秘外来の初診が7年半待ちという事実を聞けば、その人気の高さと治療の確かさがうかがえるのではないだろうか。ここでは小林氏が提唱する「もち麦ダイエット」が「効く理由」と、食事への取り入れ方を紹介していこう。

もち麦に含まれる豊富な食物繊維が効く!

 もち麦はなぜダイエットに効果的なのだろうか? その答えは、もち麦が食物繊維を豊富に、かつバランスよく持つ食材だからだ。

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 今までのダイエットの主流は、食事制限をしてカロリーを抑えるものだった。しかし近年注目され、主流になっているのは「血糖値を上げず食事でやせる」方法。ごはんや麺類などの炭水化物の摂取量を減らす「糖質制限ダイエット」は、その代表格と言えるものだ。たしかに炭水化物を減らせば血糖値は上がりにくくなりダイエット効果があるが、食物繊維が不足して腸内環境が悪化し、便秘がちになる。また、筋肉量が減るなどのデメリットがあるのも事実。

 そんなマイナス面をクリアしつつ効率的にダイエットするための鍵になるのが、もち麦が豊富に持つ「食物繊維」。その量は、白米の約25倍で、食べ物のなかでもっとも食物繊維が多いとされるゴボウと比べても2倍以上あるという。

 食物繊維には「不溶性」と「水溶性」の2種類があり、不溶性食物繊維は腸内の水分を吸ってふくらみ、便のかさを増やして排便をうながすように働く。もう一方の水溶性食物繊維は、水に溶けて糖質の吸収、消化を穏やかにし、血糖値の上昇を防ぐという働きをする。この血糖値の上昇を防ぐ働きがダイエットにおおいに役立つのだ。

 不溶性食物繊維は根菜やいも類、豆類などに豊富に含まれているのに対して、水溶性食物繊維を含む食品はそう多くない。そこで注目されたのが、不溶性と水溶性、2種類の食物繊維をバランスよく持っている「もち麦」というわけだ。

 もち麦が持つ水溶性食物繊維のなかでも特にダイエットに効果的な成分が「βーグルカン」。

・血糖値の上昇を防ぐ
・セカンドミール効果
・血中コレステロールを低下させる
・脂質の吸収を抑える

 βーグルカンにはこれら4つの働きが期待でき、それがダイエットにつながっていく。そのくわしいメカニズムは、ぜひ本書を手に取って読み取ってもらいたい。

1日2回、もち麦ごはんを食べるだけ

 では、もち麦をどうやって食事に取り入れていけばいいのか? 本書が提案しているのは「もち麦ごはん」と「ゆでもち麦」の活用のふたつだ。

 もち麦ごはんの炊き方は簡単。白米ともち麦を「白米2:もち麦1」の割合で混ぜて炊くだけ。このもち麦ごはんを茶碗1杯(150g)1日2回食べることで、食物繊維を約6g摂取できる。これは日本人女性の食物繊維1日あたりの目標量の2分の1に相当し、主食を食べる量を減らさずとも、白米と比べて20キロカロリーを減らすことが可能になる。もち麦特有のモチモチした食感で満腹中枢が刺激されるため、普段食べる量よりも少ない量で満足感が得られることも期待できるという。

 ゆでもち麦も、もち麦を水で15〜20分ゆでるだけととても簡単。このゆでもち麦を1回の食事につき大さじ4~5杯、サラダやスープに混ぜて食べることで、約1.9~2.4gの食物繊維を摂取することができるという。

 第3章では料理研究家・松尾みゆき氏考案の30種類のレシピも紹介されている。

・朝ごはんは食べない
・平日のランチタイムにももち麦が食べたい
・夜ごはんは軽くすませたい
・白米が好き

 これら4つの志向別に、スムージーやスープ、サラダ、もち麦アレンジごはんなどのレシピが紹介されている。どれも手軽に作れて、もち麦を効率的に摂取できるものなので、ぜひ参考にしてもらいたい。

 もち麦を食べるだけで本当にやせられるの?と考える方もいるだろう。もちろん、もち麦と一緒に過剰な食事をとっていればダイエットすることはむずかしい。だが、バランスよく適度な量の食事にもち麦を取り入れることができれば、なによりも腸内の環境がよくなり、それに続いてダイエット効果が期待できるはずだ。腸内の環境は2週間を目安に変わっていくものだという。この夏こそやせたいという方は、まずは2週間のもち麦ダイエットから始めてみてはいかがだろうか。

文=井上淳