子供の「なぜ?」に戸惑わない! おちんちんやおっぱいの役割を教えられる性教育絵本

出産・子育て

公開日:2018/11/11

 大切な我が子には正しい性知識を身に付けてほしいものですが、「赤ちゃんはどこからやってくるの?」「ママはどうしておっぱいがあるの?」といった、子どもの素朴な疑問にどう答えようか困ったことがある親御さんも多いのではないでしょうか。本稿では、そんな時に活用できる性教育絵本を5冊ご紹介。小さな頃から性について考える機会を設けてみましょう。

■「赤ちゃんはどうやって産まれるの?」に答えを

 成長にしたがって、「自分はどうやって産まれたのだろう…」という疑問を子どもは持つようになります。しかし、性教育にはデリケートな部分があるため、「コウノトリさんが運んできてくれたのよ」という、ごまかし方をしてしまってはいませんか。そんな方におすすめしたいのがありのままの性教育を分かりやすく描いた『ぼくどこからきたの?』(ピーター・メイル:著、谷川俊太郎:訳/河出書房新社)です。

 男性の著者が手がけた本作は、男の子の目線に立ちながら、命が誕生することの素晴らしさを教えています。堅苦しくなりがちな性をコミカルに学べるため、寝る前の読み聞かせにもぴったりな1冊です。

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■体のつくりに興味を持ちだしたら…?

 物心がつくと、パパとママの体に違いがあることに気づき、それぞれの性器に興味を持ち始める子もいます。そのため、「パパにはないのに、どうしてママにはおっぱいがあるの?」という質問を子どもから投げかけられることもあるはず。

 こうした時に活用したいのが、小学生以下にも読み聞かせられる『なぜなのママ? 3歳からの性教育絵本』(北沢杏子:作、やなせたかし:絵/アーニ出版)。こちらは、国民的ヒーローであるアンパンマンの産みの親・やなせたかしさんがイラストを担当。子どもはどうしたらできるのか、男女の性器はどう違うのかを学べる本作は男女の違いだけでなく、命の大切さも教えてくれる教育本。我が子の心の成長を促してもくれるはずです。

■性被害の防止効果も! 「わるいタッチ」を知って体を守ろう

『いいタッチわるいタッチ』(安藤由紀/復刊ドットコム)は、人を愛したり守ったりする「いいタッチ」と、人に暴力をふるい権利を奪う「わるいタッチ」の違いを教えてくれます。

 子どもが性被害の対象になるケースも少なくない今の時代「わるいタッチ」とはどういうものなのかを早いうちから理解させ、緊急時に助けを求められるよう、サポートしていきましょう。また、どういうタッチが相手を不快な気持ちにさせてしまうのかを知れたら、愛する人を傷つけない大人にもなれるはず。

 ちなみに、巻末には親に向けての性教育解説も収録されています。「小さい頃の性教育は難しそう…」と感じている方こそ、勇気を出して我が子に読み聞かせてみてはいかがでしょうか。

■女の子にも読み聞かせたい“おちんちんの話”

 男の子を育てているお母さんは、自分とは違う性の話を我が子にどう切り出したらよいのか悩んでしまうこともあるのでは? しかし、『おちんちんのえほん』(やまもとなおひで:文/さとうまきこ:絵/ポプラ社)なら、気恥ずかしく感じてしまいがちな生殖器の話も楽しみながら教えることができます。生殖器の役割だけでなく、性器の洗い方なども記されているので、息子へ最初に読み聞かせる性教育本としてもぴったり。

 さらに、性被害を防げるよう、あぶない人への対処法も収録されているので、我が子の防犯意識を高めることも可能。本作は男女の違いに興味を示し始めた女の子にもおすすめ。弟が産まれるタイミングで読み聞かせれば、下の子への兄弟愛も深くなるでしょう。

■堅苦しくない、おっぱい教育本

「どうしてママにはおっぱいがあるの?」――そんな子どもの質問に正しい答えを与えられる『おっぱいのひみつ』(柳生弦一郎/福音館書店)は、母親と子どもの繋がりを温かく描いた絵本です。親しみやすい文と、ほどよくゆるいイラストでおっぱいの役割を教えてくれるので、堅苦しくない性教育が行えます。

 本作を通し、小さな頃から正しいおっぱい知識を教えていけば、男の子は将来、恋人の体を大切にできるようになり、女の子は自分の体を気遣えるようになるはず。おっぱいの役割だけでなく、母乳に関する知識が与えられるのもうれしいポイントです。なお、ラストには「お母さんに読んでもらうページ」があり、我が子へ愛情を伝えられるようにもなっています。

 学校で行われる性教育では、性の大切さや命の尊さが十分に学べないこともあります。そのため、我が子が将来、性問題で悩まないようにするには、小さな頃から家庭でも性の話をしやすい雰囲気を作っていく必要があります。性の問題はデリケートだからこそ、見て見ぬふりやごまかしの返答は止め、年齢に合わせた性教育を行っていきましょう。

文=古川諭香