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無冠の父

無冠の父

無冠の父

作家
阿久悠
出版社
岩波書店
発売日
2011-10-14
ISBN
9784000022262
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無冠の父 / 感想・レビュー

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kiyoboo

作家故阿久悠さんの私小説。九州生まれの父親は兵庫県警所属で淡路島へ配属され、駐在さんとして生活している。明治生まれの父は厳格で住民に対しても公平で職を全うしていた。子供心にも融通が利かない父と思いながらも尊敬している。淡々と語る父の生き様を温かい目で書かれている。気弱な兄が出征する場面は避けて通れない昭和の歴史が迫る。戦後直後、時代が大きく動くので暴動が起こるのでは、父は切腹するのではと周囲が危惧するが、作者の頭に大きな手を載せたので周囲が安堵する。ヒットメーカーとしての阿久悠の原点を垣間見た作品だった。

2014/12/31

お静

自分の親の事を話すのは恥ずかしいと前置きしながら父親の話だった。駐在所のお巡りさんだった父の筋の入った理念のもと育てられた。あの阿久悠氏が!なかなか結びつかない。宮本輝が流転の海の父親に育てられたーに匹敵する意外に似ている。

2017/08/10

しゃんしゃん

歿後に発見された未発表作品。生涯巡査であった父と家族の物語。著者の自伝的小説。親父と語り合うことが少なかった時代があった。決して愛情がなかったわけではない。社会的に偉いと言われる存在ではなかった。けれど懸命に生きた。家族のため必死に生きる親父は愛情表現がぎこちなく不器用だった。そんな時代を思い出し改めて親父のぬくもりを思い出させてくれた。久しぶりに褒めてもらったあの日、思い切り叱られたあの日を想い少年の日々に帰ることが出来た。阿久悠さんに感謝。

2016/05/01

okatake

阿久悠の未発表小説. 家族について話すテレビ番組を断り続けた著者. 欧州旅行中に突然父の死を知らされ,帰国するところから始まる. 御自身の父の生涯をたどった小説.淡々とした語り口ではあるが,その裏には親しみや愛が流れている.

2011/11/25

sataz

阿久悠氏父上深沢武吉の実録話(多分)、脚色はしているだろうけれど、戦中戦後に淡路島で生涯巡査を勤め上げたまっすぐな生き方。面白みはないが、ちょっと感動的だし、作者と思しき主人公阿井丈が訃報を聞いた旅先(スペイン・仏)から亡き父の諸々を思う様子の抑えた感じも良い。 謹厳実直すぎ周囲に受け入れられなかった様と、わざとそうした理由、そしてその影響で子供時代に深い付き合いがし辛かった様子、後半登場の巡査としては外れていたがヤミ屋で成功し、深沢家を一部支えてくれた友人の描写など。ノスタルジーも感じられ良作と思う。

2014/11/11

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