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但馬日記 演劇は町を変えたか

但馬日記 演劇は町を変えたか

但馬日記 演劇は町を変えたか

作家
平田オリザ
出版社
岩波書店
発売日
2023-09-12
ISBN
9784000616089
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但馬日記 演劇は町を変えたか / 感想・レビュー

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けんとまん1007

平田オリザさんの著作は、以前から読んでいて、頷けるyことが多い。自分自身が、自分が住む地域のことに、これまで以上に関わり始め1年半。今更、ハコモノの時代でもなく、地域を考えると、これからは文化の2文字がキーワードだと考えてやってきた。そこの基本思想を、裏付けてもらえた感じがする。地域共生ということを地元の自治体も進めているが、そのためには、広く薄くという視点が必要だと考えているし、一方で、小さな変化を数多く起こすための仕掛けや人的ネットワークの重要性も痛感している。

2023/12/02

ころこ

但馬とは兵庫県豊岡市のことで、緩やかな旅日記などではない。演劇による町おこしの奮闘記だ。大きく3つに分かれる。①日本初の演劇学部を設けた新設大学に携わることを通じた教育の問題。②人口減少社会における演劇と観光による町おこしとその路線対立が招いた政治の問題。③都会育ちの著者の田舎での子育て体験記。19年から始められたプロジェクトは直ぐにコロナに阻まれる。移住のきっかけをつくってくれたのは前市長との縁があってのことだが、何とその市長が21年に選挙で敗れる。争点を象徴する言葉は「演劇のまちなんかいらない」だ。地

2024/01/16

うえぽん

豊岡で著者の芸術文化観光専門職大学学長としての話を聞き、購入。偶然の積み重ねから家族で引っ越してまで同大学の開学と国際演劇祭の開催に漕ぎ着けた数年から、コロナ禍と改革派市長の落選に翻弄された様子を具に記す。若い時に「俳優は交換可能」と主張して強い批判に晒されたとするが、出産育児を社会が後押しする時代にはどんな社員も交換可能と考えるべきであろうし、「異なる価値観を異なったままに新しい共同体を作る」ことは未来の住民の受容に繋がる。強固な共同体から緩やかなネットワーク社会への再編成が必要とした点も首肯できる。

2023/12/03

Tatsuya Hirose

【但馬日記】 初めてオリザさんを知ったのは、1983年の京都での予備校時代だった。このときどんな参考書よりも読み込んだ本がオリザさんの「受験の国のオリザ」。翌年、東京の大学に進学した僕は30年以上東京で暮らすことになる。そして、2019年、オリザさんは東京から但馬・豊岡市へ移住。なんとも不思議な気持ちになった。この本は移住者・オリザさん視点で但馬の様子が丁寧に描かれている。「演劇のまちなんかいらない」というフレーズで現豊岡市長が当選した豊岡市選挙に関わる、オリザさんしか描けないお話しが一段と興味深い。

2023/12/02

peco

豊岡が演劇の町として地域を盛り上げようとしていることは、数年前の市長選の時に知った。演劇の町を推進してきた現職が敗れたとの報道だった。著者の平田オリザさんが豊岡に移住し、まさにこの選挙も挟んだ日々の記録。暮らしやまちづくりって、絶対に政治とは切っても切り離せないもの。オリザさんの視点で、行ったことのないこの街の取り組みの一端に触れられてよかった。彼が学長を務める芸術文化観光専門職大学のこれからと共に、注目していきたい町のひとつとなった。

2023/12/02

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