日本人が抱える“3つの寂しさ”とは?稀代の劇作家が示す、価値観を転換すべき新しい日本のカタチ
『下り坂をそろそろと下る(講談社現代新書)』(講談社)
人にとって最も堪え難い感情は「寂しさ」なのかもしれない。寂しさは様々な負の感情を誘発する。『スター・ウォーズ』の中に出てくる伝説のジェダイ ヨーダもアナキンに向かって「寂しさは怒りを生み、怒りは憎しみを生み、憎しみは苦痛を生む」と言っていたが、まさにアナキンは寂しさに耐えられず暗黒面に落ちダースベイダーと名を変え悪の司令官と化した。人は寂しさに対して脆くそのため容易にモラルを外れた道を選んでしまうものだ。
日本人が抱える“3つの寂しさ”
現代口語演劇という演劇界の新たな地平を拓いた日本を代表する劇作家/演出家・平田オリザの新刊『下り坂をそろそろと下る(講談社現代新書)』(講談社)では現在の日本人が抱いている本質的な感情は「寂しさ」であるとして、その寂しさの根拠を3つに分け示している。
1:日本はすでに工業立国ではない。 2:この国は成長せず、長い後退戦を戦っていかなくてはならない。 3:日本という国はもはやアジア唯一の先進国ではない。
経済や人口の推移と世界における日本の相対的な立ち位置をひい…