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藤村文明論集 (岩波文庫)

藤村文明論集 (岩波文庫)

藤村文明論集 (岩波文庫)

作家
島崎藤村
十川 信介
出版社
岩波書店
発売日
1988-07-18
ISBN
9784003102466
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藤村文明論集 (岩波文庫) / 感想・レビュー

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翔亀

日本的自然主義文学の代表とされる藤村が文明論とは似つかわしくないが、パリ生活4年間に書き留めたエッセイを始め、体系的でも専門的でもなくつぶやくように展開された文明論は、一字一句がなるほどと思う視点を多く内包している。文学者として"自分"や"親"や"家"にこだわり続けた藤村は、実は日本の将来を真剣にに考え、パリの都市や人々を曇りのない目で見ていた。歴史論/都市論/ジェンダー論等々にみられる確かな眼、その時代に流されず、常に「自らの内部にたずねよう」とする内発的な精神は、この今でこそ学ばなければならない。

2016/11/11

壱萬弐仟縁

エトランゼ(外国人)――という言葉は 遠く東洋から旅して来たものの胸に 一種言い表し難い響をもって迫って 来ます(18頁)。 模倣そのものは、そこに一種の独創 を産もうとするものではありますまいか (44頁)。 突如として独創できない。 真似や型から飛び出る時が やがてやって来る。 そこまでは我慢のしどころか。 福沢諭吉氏の書き残されたものを 見ると、先ず人生を戯れと観ぜよ ということを教えられます。 生を厚うする途につけ(57頁)。   

2014/05/28

双海(ふたみ)

ロダンの言葉が紹介されている。「大都市は墓地です。人間はそこに生活してはいないのです。彼らは健康な生活力を失っています。消耗してしまったのです。」

2014/09/30

他国との関係、文明、文化、芸術について見る目というのは、時代が違えど変わらないのでしょうね。人の苦悩や憂愁も同じく。「物事は変化ではなく移動」という透谷的な部分も多分に感じました。

2015/05/22

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