永瀬清子詩集 (岩波文庫 緑 231-1)
永瀬清子詩集 (岩波文庫 緑 231-1) / 感想・レビュー
新田新一
永瀬清子は、私が本当に好きな詩人です。東京の文壇からは離れたところで、主婦としての生活を続けながら、読み手の心に深い印象を残す詩を書き続けました。深い優しさと個人を押し潰そうとする社会に対する怒りが、詩の中で両立しているのが特長の一つです。ちまちましたところが少なく、読んでいると心にそよ風が吹き渡っていくような爽やかさを、感じる詩が多いです。この本には永瀬さんの散文も多く含まれており、散文の第一級の書き手だったことも分かります。この本は手元に置いて、これからも繰り返し読みます。
2023/12/02
遠い日
詩作を続けたことこそが、永瀬清子の胆力。土に根ざした労働の続きにあることばたち。血の通ったことばたち。齢を重ねてなお凛と発する佇まいの美しさよ。ただただ打たれました。これを受け止める腑があると言い切れないわたしがもどかしい。
2024/02/23
しお
かなり良かった。たくさん付箋をつけた。「金星」「私は地球」「プラタナス」「悲しいことは万歳でした」「女波男波」「ほしいもの」が特に良かった。語り手の身近な世界から大地や宇宙が地続きになって広がっていく感じがした。谷川俊太郎との対談も面白かった。読んで良かった。
2024/02/04
Fumoh
内省的で、自己批判的でもあり、またロマン派の詩人のように華やかに美を綴る詩人。その深い内省は、西洋の理性的な光を放ち、どこか男性的なパワーと哀しみを併せ持っている。
2023/12/29
大手町
「日記をかくやうにたくさんの詩をかけよ/手紙をかくやうにたくさんの詩をかけよ」が一番胸に響いた。詩を書くことは難しくなく、日記・手紙感覚で書けよと言いたいのだろうか。自分もたまに詩を書くが日記感覚で書いてみようと思った。
2023/12/11
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