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生物から見た世界 (岩波文庫)

生物から見た世界 (岩波文庫)

生物から見た世界 (岩波文庫)

作家
ユクスキュル
クリサート
Jakob von Uexk¨ull
日高敏隆
羽田 節子
出版社
岩波書店
発売日
2005-06-16
ISBN
9784003394311
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あらすじ

甲虫の羽音とチョウの舞う,花咲く野原へ出かけよう.生物たちが独自の知覚と行動でつくりだす〈環世界〉の多様さ.この本は動物の感覚から知覚へ,行動への作用を探り,生き物の世界像を知る旅にいざなう.行動は刺激への物理反応ではなく,環世界あってのものだと唱えた最初の人ユクスキュルの,今なお新鮮な科学の古典.

生物から見た世界 (岩波文庫) / 感想・レビュー

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KAZOO

もともと1934年に出版されたのですが、知的好奇心を刺激させてくれる本だと思います。昆虫や動物から人間世界がどのように見えているのかを簡潔な文とかなり多くある絵によって説明されています。ハエから見える世界と人間から見える世界など、今まであまり考えていなかったような分析です。

2016/04/22

syaori

本書が見せてくれるのは、生物が知覚する世界。例えばダニの世界では、彼らをとりまく巨大な世界の中からたった三つの刺激だけが「闇の中の灯火信号のように」煌いている。そんな「未知の世界」を窺い知るために示される様々な実験を通して痛感されるのは、私たちはそれぞれの主観に「永遠に取り囲まれている」のだということ。しかも、私のなじみの道は別の人には迷う危険に満ちた未知の道というように、個体の経験によっても見える世界は違ってくる。自分が見ている世界だけが絶対ではない、そんな単純で大切なことを改めて教えてくれる本でした。

2019/07/01

red falcon

「環世界」の概念をなんとなく理解できました。ミツバチが花畑を飛び回るときに植物の花弁が強調されて見えると聞いたことがあります。推測ですが、著者は生物の行動が刺激・反射ということだけでは説明できないと考えていたのだと思います。本文では、多くの昆虫や動物の行動を「環世界」という斬新な発想で説明しています。初版から80年ぐらい経っていますが、研究はどこまで進んでいるのか知りたいと思います。

2017/04/21

らぱん

面白かった。1934年発行の一般向け生物学の古典を哲学書として読んだ。進化の頂点にあると思い上がるヒトという種が自らの知覚で認識する全てに名前を付けることで世界を征服できると勘違いして知覚できないものにまで名前を付ける。自らの思考の届かない自らの論理で説明できない事象は自らが名付けた未来という概念が解決できるという過度の期待を寄せ誤魔化す技を科学と呼ぶ。こころ優しいユクスキュル先生がumwelt≒環世界と命名した概念を提示し自家撞着に陥るヒトを救わんとした書。↓

2019/05/08

ホッケうるふ

環世界という概念に目からウロコ。なるほど理屈では昆虫などは人間と物の見え方が違うと分かっているつもりだったが、感覚的にはやはり我々が見ているこの世界の中に彼らも囲まれて同じものを視覚的に捉えているという錯覚に陥っていたのが本書を読んでよく分かる。多くの実験に裏打ちされた自然科学研究なのに認識について哲学的ともいえる考察が展開される。主観によって現実は変わり我々人間の世界も個々の人間によって異なって見える環世界。ひょっとして我々人間にも知覚できていない領域がありこの世界は実は我々の見ている姿ではないのでは。

2015/01/31

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