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世界文学のすすめ (岩波文庫 別冊 12)

世界文学のすすめ (岩波文庫 別冊 12)

世界文学のすすめ (岩波文庫 別冊 12)

作家
大岡信
奥本 大三郎
川村二郎
小池滋
沼野充義
出版社
岩波書店
発売日
1997-10-16
ISBN
9784003500163
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世界文学のすすめ (岩波文庫 別冊 12) / 感想・レビュー

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viola

これは面白い!岩波文庫の赤帯(外国文学)約1000点から厳選された世界文学30作品を筆者それぞれの個性を出しながら語ったもの。著名な文学者や作家などがいるわけですが、ダントツで面白かったのは河合隼雄、阿刀田高、鹿島茂、木下順二あたりです。また、最初に収録されている座談会がこれまた面白いですねー!どれを選ぶのか、満票になったのは『白鯨』だったとか。ゲーテやシェイクスピアは意外なものが選ばれていました。読みたい本がきっと新たに生まれるはず!阿刀田さんと全く同じことを考えていて、嬉しくなってしまいました。

2011/03/16

chacha子

千夜一夜物語から伝奇集まで、古今東西の名作古典文学30冊の魅力を余すところなく語ったエッセイ集。一作につき一名ずつとあって、ある文は在りし日の感傷に満ち、ある文は落語のように軽快、ある文はとある詩集を詩で表現するというように語り口は様々だが、本を愛してやまないという点では皆共通しているため、次第に実は全編通じて同じ人が書いているのではという錯覚に陥ってしまう。この本を片手に、片っ端から岩波文庫を読んでみたい衝動に駆られる。

2015/06/23

きりぱい

百余りの海外作品の候補から更に厳選した30作品を、総勢30人の作家、翻訳家、詩人などがそれぞれひとつの作品についてひとくさり語る。書評ではなく、どんなふうに出会って、どんなに読んできたか、青春の思い出や研究過程の思い入れなどとして語られる部分が多い。そして、岩波文庫の赤帯からの選というのがミソ。当然選ばれるはずであろう?作品が漏れたり、意外なものが挙げられていたりして、その辺は、岩波版の訳がどうだからこうだからと最初の5人の通な対談が面白い。

2011/03/09

うた

最初の座談会での翻訳話が面白い。「詩がむずかしいのは、研究水準が高い人に書かせればうまく訳せるかというと、そうはいかないことですよね」というのは、その通りで『白鯨』を含めた叙事詩もそんなところがある。また小池さんがもうれつにシェイクスピアの『ソネット集』を薦めているけれど、『ソネット集』の書評者はなぜか岩波文庫じゃない吉田健一訳を絶賛してたり(笑)。いや、確かに見事な訳ですけどね。田部さんがチェーホフの短編群を読むたびに味わいが、感じ入るところが変わると評しているのは、実に的を射ていると思う。

2013/04/14

散歩いぬ

冒頭のスノッブな座談会は教養自慢的な所を除けば興味深い。特に植民地だった場所に住んでいた作家・移民の作家の母国語から外国語に訳することへのこだわりの強さなどは翻訳家なればこその話題。岩波文庫赤版から選んだ30冊を各人が個人的体験と共に語るのがなかなか壮観だ。司修によるカフカの「変身」は、つげ義春の漫画みたいだし、落合恵子の「嵐が丘」など一昔前のフェミニズム臭がぷんぷんするけど嫌いじゃない。

2013/01/25

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