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あいまいな日本の私 (岩波新書 新赤版 375)

あいまいな日本の私 (岩波新書 新赤版 375)

あいまいな日本の私 (岩波新書 新赤版 375)

作家
大江健三郎
出版社
岩波書店
発売日
1995-01-31
ISBN
9784004303756
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あいまいな日本の私 (岩波新書 新赤版 375) / 感想・レビュー

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おさむ

有名な1994年のノーベル文学賞の記念講演をはじめとする国内外の講演集。大江氏の文学観や歴史観が分かりやすく説かれています。井伏鱒二や安部公房、ミラン・クンデラ等への高評価。広島、長崎、沖縄への深い関心と洞察が印象的。大江文学のモチーフのひとつである四国の重要性も再認識しました。

2016/01/26

James Hayashi

著者のノーベル賞講演を含めた講演集。タイトルはノーベル賞受賞の川端康成が受賞時に講演した「美しい日本の私」をベースにしたもの。著者の深い思考を感じとれる。知的障害者であられる息子さん、井伏鱒二、ノーマ・フィールド、ハックルベリーフィンの冒険やニルスのふしぎな旅などから多大な影響を受けた著者。子供時代に読んだ本の内容を母から問われ、十分には答えられず「本をどういう目的で読むのか、ただ時間を潰すためなのか」と言われ真髄を読んでいく様になったという。これは見習わなけばいけない。

2019/05/09

壱萬弐仟縁

川端康成は『美しい日本の私』という講演をしたという(4頁)。安倍総理の美しい国論とは似ても似つかないだろう。川端は、日本的、東洋的な独自の神秘主義を語ったとのこと(5頁)。21Cに向けて、自分たちの文明と、自分たちにつながる人間の身体について、慈しみ、保ち、発展させ、改良させ、すくなくとも壊さず、そのままに、後にくるべき者らに渡すようにと、願って生き、考えようとしている(33頁)。その21Cになりこんなはずでは・・・という事態が多く発生している。本書は20年前に出た。

2015/09/27

Nobu A

大江健三郎著書初読。言わずと知れたノーベル文学賞受賞作家。世界的な文豪はどうも敷居が高く、もっと読解力が付いてからと躊躇してしまう。そんなこと言ってたら何時って独り突っ込みたくなるが。ともかく本書は執筆作品と言うより講演9編を綴ったもの。結果的に嚆矢として良かったかも。筆者の生い立ちに触れ、政治的思想も含めた様々な信条や信念を窺い知ることが出来た。幼少期に公民館の蔵書を完読し、その後の母親とのやり取りに驚く。世界を意識していたのが明らかに判る。惜しい人を亡くした。遅ればせながら他著も手に取ろう。合掌。

2023/11/04

うめ

講演集。もちろん草稿はあるのだろうが、高尚な内容や知性溢れる言葉遣いに感じ入ってしまう。特に、『家族のきずな』の両義性、は素晴らしかった。ときめいていた数々の文豪達と直に接してきた著者であるからこその考察や、家族や世界との向き合い方、時折挟まれるユーモア。もう20年以上前のものだけれども、今読んでも古さを感じない。

2018/05/25

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