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岡倉天心『茶の本』を読む (岩波現代文庫)

岡倉天心『茶の本』を読む (岩波現代文庫)

岡倉天心『茶の本』を読む (岩波現代文庫)

作家
若松英輔
出版社
岩波書店
発売日
2013-12-17
ISBN
9784006003029
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ジャンル

岡倉天心『茶の本』を読む (岩波現代文庫) / 感想・レビュー

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ころこ

本書には、「霊」という言葉が頻出します。東洋の哲学、思想、宗教は、西洋のそれらと対照関係にあるのでしょうか。この疑問を常に念頭に置きつつ、読まざるを得ない不自由さは、我々の言葉が西洋の考え方に浸食されたことが原因なのか、そうでないのか。東洋の哲学、思想、宗教がシームレスに繋がっていると感じられる違和感は、全く異なるコンテクストである保田与重郎の「橋」と「茶」が、侘び寂を備えたコミュニケーションツールとして、極めて近いと考える蛮勇を許してくれるのでしょうか。このように、こだわるのは、無造作で思わせぶりな「愛

2018/04/22

壱萬弐仟縁

1906年初出(裏表紙)。 愛と天心が書いたのは、存在の根柢にあって万物を生かす働き(3頁)。 窮極的一者の異名。この表現は不思議。 茶道は美の宗教(33頁)。 文化の祖国である中国で失われた茶の霊性は日本の茶道のなかでその命をつないだ(74頁)。 だから、今の領土問題などでは、敵視し合うのではなく、文化の歴史をみるべきであろう。

2014/03/06

ひめぴょん

岡倉天心の言葉を読み、コトバが顕われるのを待ち生まれた本。鈴木大拙、九鬼周造など関連の深い人とも絡めて。「茶の本」そのものの内容の引用はごく一部ではあるが、天心の精神性を感じる話が多い印象。最終章に書かれていた 父母が亡くなって後の九鬼のエッセイに「(天心に対して)まじり気のない尊敬の念だけを持っている。思い出のすべてが美しい。誰も悪いのではない。すべてが詩のように美しい。」と書かれているのが印象的でした。それに対して著者は「美しさと美しいものは違う。前者は概念だが。後者はいつも実在である。」と書いている

2024/03/05

kiho

岡倉天心の「茶の本」を、いろんな背景や天心の人物像を交えて読み解き、茶道に限らず、彼の考えや思いを伝える一冊☆「茶の本」よりもある意味、わかりやすく思える点もあった…天心のこともよくは知らなかったけれど、「人となり」が見えてきた気が…。

2014/07/28

ピンガペンギン

岡倉天心に興味が出てきてこの本を手に取った。評伝というよりも、岡倉天心の書(主要なものは全て英語で書かれた)を分析し著者の読みに触れることで著者の思想を知るような部分が多い。ヴィヴェーカーナンダというインドの宗教者(ロマン・ロランによる伝記がある)とは「岡倉とは兄弟だ」と言われたほど似ている部分が多かった。天心の英文は大詩人タゴールが「流れが良い」と賞賛したリズムがあるとのことで、部分的にでも読んでみたい。

2022/11/19

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