母の発達・アケボノノ帯 (岩波現代文庫 文芸351)
母の発達・アケボノノ帯 (岩波現代文庫 文芸351) / 感想・レビュー
ライム
河出文庫版で以前読んでたが、その破壊力をもう一度確かめたくて。時々眠りそうになるが、やっぱり凄い…目に飛び込んでくる言葉の意外性と、話の強引な滅茶苦茶さが、いっそ清々しい。幼児の落書きを、不完全なAIが文章化して神話の形に整えたような感じか。強迫観念や抑圧など蹴っ飛ばせ、藻の母は金魚臭い水の中でゆーらゆーら。そして疲れてきた頭に、無数の小さい生き物が万華鏡の綺麗さ(と気色悪さ)でくるくる回る映像が映し出される…こんな刺戟的な読書もあるんだね。
2023/12/29
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