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世界の産声に耳を澄ます

世界の産声に耳を澄ます

世界の産声に耳を澄ます

作家
石井光太
出版社
朝日新聞出版
発売日
2017-05-19
ISBN
9784022514660
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「世界の産声に耳を澄ます」のおすすめレビュー

出産とは何か? 育てるとは? 途上国のリアルなお産と育児の実態―代理母出産、人身売買、レイプ、差別…

『世界の産声に耳を澄ます』(石井光太/朝日新聞出版)

 世界には文化や歴史が異なるさまざまな国がある。豊かな国もあれば、貧しい国もある。平和な国もあれば、明日のことさえわからない中で暮らす国もある。そんな多様な環境を持つ世界で今この瞬間にも産声をあげているかもしれない新たな命は、どのように誕生し、育てられているのか。

 途上国のスラムや紛争地域などに何度となく足を運び、貧困や紛争、差別といった国内外の問題への取材経験を持つノンフィクション作家・石井光太氏が、さまざまな事情と劣悪な環境の中でお産や育児を行う途上国の親子の姿を3年超の取材をもとに書いたルポがある。『世界の産声に耳を澄ます』(石井光太/朝日新聞出版)だ。

 著者は35歳で初めて父親としてお産に立ちあったとき、恵まれた国・日本で出産をした妻が子どもへ向けるまなざしに、かつて出会った途上国の人々の姿を感じたという。そして“子どもを産んで育てる”という人間の基本的な営みにある表層的ではない大切なものをもう一度見直したいという想いと、そんな過酷な環境の中でも笑顔を持てる親子の源泉とは何かを探るために…

2017/8/11

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世界の産声に耳を澄ます / 感想・レビュー

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ゆみきーにゃ

《図書館》妊娠してる今、読んだからこそ母親の強さがわかる。どんな状況化に置かれても愛情の深さは変わらないことに安堵。

2017/08/23

ひらちゃん

今度は世界の出産にスポットをあてた。石井さん自ら子供をもった事がきっかけになったとか。首長族のお産、ストリートチルドレンの赤ちゃん、代理母ビジネス、アルミノの孤独、HIV患者の出産に、紛争地の子供たち。世界では様々な親子がいるが思いは同じ。「一つひとつの命のもつ可能性は無限だ」と綴った石井さん。どんな絶望したくなる状況でも目を背けることだけはしたくない。自分は恵まれた出産をしたのだと痛感した。

2017/12/23

くろにゃんこ

これまで途上国を巡り貧困や差別について書いてきた著者が父親となったのを機に出産・育児の現状に視点を移す。ミャンマーやシリアなど紛争地域でも生まれる命、逃れられない環境・・・読んでいてたまらない気持になります

2017/06/23

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

2児の父となった著者が、他の国、主に貧しい過酷な国ではどういう出産を行なっているのだろう、という取材をしたルポルタージュ。いつもの通り世界の最貧国の中の最も貧しい国で妊婦を探す。ミャンマーの首長族や子供をアメリカなどに売ってしまうグァテマラ、内戦中のシリアでの出産。ゲイのカップルにゴキブリだらけの環境で育てられたり、ホンジョラスで産まれて間もなく棄てられる赤ん坊。貧しい中で必死に育てる貧しい母親。貧しい母親達を支援しようとする人々。石井氏の作品はお説教めいたところが全くなく、淡々と事実を伝えている。

2017/09/18

リノン

石井さんが結婚して、2児の父親とは!途上国の出産について完全に無知なので、驚きの連続。公立の病院で無料で出産できるのに自宅で出産とか、フィリピンの完全母乳率が16%(日本36%)、ブラジルの帝王切開率が40%(日本20%)など想像とは逆でした。最後のスリランカの話がすきです。軍人に暴行された末にできた子供でも、かわいいと思えるなら自分で育てたいというお母さん。周囲に反対され過酷な生活が予想できるのに、この選択はすごい。石井さんの本は、自分のフワフワした生き方を戒めてくれるので、大切な作家さんです。

2018/01/09

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