ダ・ヴィンチ編集部が選んだ「今月のプラチナ本」は、塩田武士『存在のすべてを』
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年12月号からの転載になります。 『存在のすべてを』 ●あらすじ● 平成3年に神奈川県で起きた二児同時誘拐事件。その30年後、当時事件を担当していた新聞記者の門田は知人の刑事の訃報をきっかけに、誘拐事件の被害男児が…
関連レビュー
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年12月号からの転載になります。 『存在のすべてを』 ●あらすじ● 平成3年に神奈川県で起きた二児同時誘拐事件。その30年後、当時事件を担当していた新聞記者の門田は知人の刑事の訃報をきっかけに、誘拐事件の被害男児が…
重厚長大な書物とはこういう本の為にあるような言葉だ。塩田武士『存在のすべてを』(朝日新聞出版)は、上質のミステリ小説でありながら、同時に、ミステリの定石を次々に覆していくような、志の高さと射程の長さが感じられる傑作である。塩田氏の代表作と…