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川のある街

川のある街

川のある街

作家
江國香織
出版社
朝日新聞出版
発売日
2024-02-07
ISBN
9784022519610
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川のある街 / 感想・レビュー

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starbro

江國 香織は、新作中心に読んでいる作家です。本書は、「川のある街」連作短編集、オススメは、鴉が主役級の「川のある街Ⅱ」です。 https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=24646

2024/03/24

アン

川が流れる3つの街での移りゆく時と人々の営みを綴ったお話たち。・両親が離婚し、母親の故郷で暮らす少女の心のゆらめきが繊細に、瑞々しく。父親との優しい関係と成長。・地縁の影響が強い地方都市での人間模様、「街との親和性が高い」カラスの視点がユニーク。・ヨーロッパの街に移住し、40年以上経つ伯母の現状を心配し、日本から姪が訪ねて来る。霞んでいく記憶の中で甦る鮮明な記憶の断片と心の支え。時は無慈悲に過ぎゆくが、柔らかな風がありのままの心を包み込むよう。悠然と流れる川の水面に反射する、美しい光の粒が瞼に浮かぶ。

2024/03/20

Ikutan

川のある街を舞台にした三つのお話。第一話は、両親の離婚で川の近くのマンションに引っ越してきた少女の視点で、街の様子や日常が描かれる。父親との面会、母親側家族との交流、新しくできた友だち。変化を柔軟に受け入れて成長していく彼女の姿が愛しくなる優しいお話。ある河口近くの街の人々の暮らしを描いた第二話は、間にカラスの視点が挟まれていてユニーク。ごみ置き場を荒らすカラスには手を焼いていたけれど、ちょっと親近感が湧いたよ(笑)。舞台を海外に移した第三話は、認知症の女性視点。江國さんの文章はずっと読んでいたくなる。

2024/03/20

ででんでん

とても久しぶりの江國さん。子どもの視点、認知症の兆しがある老女の視点。そして、人間ではなくカラス個体それぞれの視点も。ほんのちょっぴりの違和感さえなく紡ぎ出される彼らの姿を通して、読者である私は時間も空間も縦横無尽に乗り越えて連れて行かれる。1冊の中に、なんて広やかで豊かな世界があることか。私は江國さんの書くものが大好き。

2024/03/23

優希

川のある街を舞台にした3編の物語。それぞれの場所で静かに流れている時間が心地良かったです。穏やかな水面に映るきらめきと水の中の厳しさの違いをも見せるのもまた物語の魅力だと思いました。場所と時間と生が眩かったです。

2024/02/21

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