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一億三千万人のための『歎異抄』 (朝日新書)

一億三千万人のための『歎異抄』 (朝日新書)

一億三千万人のための『歎異抄』 (朝日新書)

作家
高橋源一郎
出版社
朝日新聞出版
発売日
2023-11-13
ISBN
9784022952394
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一億三千万人のための『歎異抄』 (朝日新書) / 感想・レビュー

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あらた

有名な「善人なほもつて往生をとぐ。いはんや悪人をや。」の歎異抄の超訳。一貫して世界の大きさと翻って人間個人の小ささを説いているように思う。それを理解すれば個々人の善悪の違いなど微々たるものということなのだろう。 「しょせん人間がおかす程度の悪などが、浄土へ行く妨げになることはない。」、「近いからこそいっそう憎しみあうのだ。ほとんど同じだからこそわずかな違いにいらだつのだ。」 グサリとくる。

2024/02/24

おたま

作家・高橋源一郎による『歎異抄』の現代語訳。さすが小説家だけあって、具体的な場面と語りを通して、親鸞の言葉を蘇らせている。この中に、阿弥陀仏の教えは親鸞ただ一人を救うために述べられた、あるいは太宰治の小説も読む人一人のために書かれた、かのように思われるとしている。だからこの『歎異抄』は高橋源一郎が読み取ったものとなっている。しかし、それは読者にも個的に語りかけられ、その読者の『歎異抄』を触発するために書かれている。まあ、全ては阿弥陀仏にすがり、全的に身をゆだね、ネンブツさえ唱えれば(もしかすると、⇒

2024/01/18

pirokichi

「彼らの」でなく、「ぼくの」、「ぼく」高橋源一郎が理解した「シンランのことば」。「歎異抄を読む前に」「歎異抄(現代語訳)」「宗教ってなんだ(歎異抄を翻訳しながら考えたこと)」「名前を呼ぶこと(あとがきに代えて)」「親鸞の時代年表」「歎異抄(原文)」が収録されている。現代語訳は平易な文章で一瞬わかったような気になるが、内容は奥が深いため、やっぱりむずかしい。ただ親鸞を「フジイくん」と心の中で呼ぶ著者の親鸞との向き合い方、アプローチの仕方は独特で、その仕方で「わたし」も一歩近づけそうな気がした。

2024/04/07

ryohjin

とても面白く読めました。「注」を使わずくだけた言葉での現代語訳は、「シンラン」と「ユイエン」の想いが強く伝わってきます。原文と合わせ読んで『歎異抄』のイメージに立体感が加わりました。著者が語る部分では、「ひとへに親鸞ひとりがためなりけり」が太宰治への「わたしのために書かれた作品のよう」という感想と比べられて納得、今までひっかかっていたこの部分を受け止めることができました。苦しんでいた「ふつうの人」を救おうとした親鸞の思想を「ネンブツをとなえる」「それだけでいいのだ」といいきった作家の感性に感じ入りました。

2024/04/16

特盛

評価3.8/5。歎異抄、名前をよく聞く。NHKの100分で名著でも取り上げられてた。無人島に一冊持って行くならこの本というのも聞いたことがある。どういうこと?と手に取った。本書は歎異抄の超訳だ。当時の人が読んだ感覚を大事にくだけて書いているのが面白い。「阿弥陀は人を一人残らず救うと決心した。我々はそれにすがり全部お任せし、その名を唱えることしかできない。救われるか分からないし、自分も迷うけど、それしかない。」悪人正機や他力本願など、革命的だったのだろう。強烈な迫害を受けた法然と親鸞。ある意味パンクスだ。

2024/02/21

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