絵物語 古事記
「絵物語 古事記」のおすすめレビュー
読みやすい・分かりやすい・おもしろい! 三拍子そろった『古事記』入門
『絵物語 古事記』(富安陽子:文、山村浩二:絵、三浦佑之:監修/偕成社)
「稲羽の白うさぎ」「海幸彦と山幸彦」「天の岩戸」などなど、『古事記』を読んだことがなくとも、『古事記』に由来する言葉を「一度も聞いたことがない」という方は、少ないのではないだろうか。
マンガ『八雲立つ』(樹なつみ/白泉社)や東京都の目黒区にある「八雲」という地名は、『古事記』の中に出てくる歌からとられていたりと、『古事記』を知れば、日常生活のなにげない瞬間に「あ、これってそういう意味だったのか」と気づくことも多くなるはずだ。それほど、『古事記』の世界は案外、身近にあったりする。
だが、『古事記』は猛烈に読みづらい。
学生時代、史学科に在籍していた私は『古事記』の原典を読むという講義を受けたのだが、めちゃくちゃつまらなかった思い出がある。オール漢字なので読むのが大変だし、当て字のような表記も多いので、まるで暗号のようだった。
内容も現代人には「?」になる展開が多くあり、当時は全くハマらなかった。
しかし、その苦い思い出を払拭してくれたのが本作『絵物語 古事記』(富安陽子:文…
2018/2/7
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絵物語 古事記 / 感想・レビュー
KAZOO
絵本なのでしょう。1ページに必ず絵が描いてあります。古事記ものがたりの昔話にこのような単色の絵がぴったり合う感じがします。絵本作家の富安陽子さんが古事記をわかりやすくつむいでくれています。山村さんの絵がぴったりの感じで本当はかなり難しく結構残酷な部分もある物語をやさしく語りかけてくれます。いい本です。
2019/01/20
mocha
富安陽子さんが子ども向けに丁寧に再話。雰囲気のある絵も具体的にイメージする助けとなっている。神様たちの名前はおとなでもなかなか正しく読めないものだが、全部カタカナ表記にされるとそれはそれでとても読みづらいものだなあ。
2020/08/09
ムーミン
いにしえの日本人の想像力、日常の思い、大切にしたいと思っていたこと‥物語の向こう側にいろいろなものが垣間見えて、面白い読書になりました。
2022/04/07
HMax
小学生の副読本にしてほしい。私も含めギリシア神話は知ってても日本の神話を知らない日本人が殆どでは? 天と地とが分かれ、高天の原にアメノミナカヌシが最初に現れた。それから最後に現れた二柱の神様イザナキ、イザナミの神様が最初に作った島が「オノゴロ島」、この響き、何となく可愛い。個性豊かな神様がたくさん登場する古事記上巻の神様の物語。
2019/01/27
よこたん
“ここに描かれる神さまたちはみな、悩んだり、泣いたり、怒ったり、美しい娘にひと目ぼれをしたり、兄弟でいがみ合ったりーー。” 黄泉の国のイザナミ、ヤマタノオロチ、いなばの白兎、海幸彦山幸彦など、バラバラと知っている話がつながっていくのが楽しい。語りかけてくるような文がとても読みやすく分かりやすい。更に全ページにびっしりと描かれた山村さんの絵の闇を孕んだような迫力に引っ張られる。ただ、かなしいかなカタカナ表記の神さまたちの名前が、なかなか頭に入ってこない。名前と事柄を線で結ぶ問題が出たら、まずアウトだな。
2018/04/15
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