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香港シェヘラザード 上・蕾の義 (富士見L文庫)

香港シェヘラザード 上・蕾の義 (富士見L文庫)

香港シェヘラザード 上・蕾の義 (富士見L文庫)

作家
三角 くるみ
猫将軍
出版社
KADOKAWA
発売日
2020-02-15
ISBN
9784040734712
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ジャンル

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「私も同罪…」微笑をたたえた男から手渡されたのは/『香港シェヘラザード 上・蕾の義』⑦

香港に赴任中の新人外交官の秋穂のもとに舞い込んだ、女性の拉致誘拐事件。事件を追う秋穂は、香港の黒道の男に手を引けと脅されるが――!? 正道の女と外道の男、それぞれの「正義」が交錯するラブ・サスペンス。

『香港シェヘラザード 上・蕾の義』(三角くるみ/KADOKAWA)

 床に置いた鞄から栄養点滴のバッグを取り出す。手早く準備を調えながら、この男はどこのだれなんだろう、とまた考えた。  この屋敷に足を踏み入れるまで、梨玲は自分を利用する黒道を李海藍個人としてしか認識していなかった。どこか大きな組織に繋がっているのだろうと想像してはいても、その正体を確信したことはまだなかったのだ。その必要もないと思っていたが、これからはそうもいかないのかもしれない。  寝台の天蓋を支える梁に伸縮可能なフックを使って点滴バッグを括りつけ、女性の腕を取った。灯りが弱く、うまく血管を見つけられない。鞄から取り出してあった懐中電灯を口にくわえて、ゴム管を細い腕に巻きつける。血管を浮き立たせ、針を刺す。金属針を抜き取って、血管のなかに樹脂管だけが残ったことを確認してから点滴の速…

2020/4/4

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冷酷なマフィアの男が連れてきたのは衰弱した女性。身体には悲惨な跡が…/『香港シェヘラザード 上・蕾の義』⑥

香港に赴任中の新人外交官の秋穂のもとに舞い込んだ、女性の拉致誘拐事件。事件を追う秋穂は、香港の黒道の男に手を引けと脅されるが――!? 正道の女と外道の男、それぞれの「正義」が交錯するラブ・サスペンス。

『香港シェヘラザード 上・蕾の義』(三角くるみ/KADOKAWA)

 室内は薄暗かった。天蓋付きの寝台の傍らの灯りだけが、その周りのごく狭い範囲をぼんやりと照らしている。  どうしていいかわからず、梨玲は隣に立つ男の顔色を窺った。彼は柳眉をかすかに吊り上げ、そのまま進むよう圧力をかけてくる。無意識のうちに喉を鳴らして、おずおずと歩みを進めた。  寝台の縁にひとりの男が腰を下ろしている。長い髪が、衣服を纏わないしなやかで逞しい上半身に落ちかかっている。こんなときでなければ思わず見惚れたかもしれない、素晴らしい肉体美だ。だが、梨玲の目はそのときすでに、その同じ寝台に横たわるひとりの女性に据えられていた。あれがあたしの患者、と彼女は急に落ち着きを取り戻した。  梨玲の姿を認め、男が立ち上がった。ぬめる蛇のような眼差しに背中がひやりとする。 「医生か」  え…

2020/4/3

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香港シェヘラザード 上・蕾の義 (富士見L文庫) / 感想・レビュー

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あさうみ

読み友さんからおすすめしてもらった本!ウェブ連載されていたそうな。「不夜城」からノワール小説に入った自分。雰囲気、好き。

2020/02/16

よっち

誘拐された邦人家族から相談を受けた香港赴任中の新人女性外交官・秋穂。黒幕は香港最大の黒道組織・七海幇と判明したものの、証拠が足りず踏み込めない中、幹部の男・立花と出会う絶望と再生のラブサスペンス。商社マン・笹森が一瞬目を離した隙に誘拐された妻・蓮子の絶望。犯人は明らかなのに安易には手を出せないもどかしさと、危険な匂いのする立花との出会いがあって、急展開後も続く過酷な環境でもかすかな希望を諦めない蓮子と彼女を支える女医の梨令、そして秋穂と立花の因縁がどんな結末を迎えるのか、緊迫感のある展開が面白かったです。

2020/04/21

黒ごま

上下巻を一気に読了。面白かった。下巻の方に感想書きます。

2020/02/29

がんも

ジャケと題名に惹かれて購入、なんだこれ!面白い!このレーベルってラノベ系かと思ってました、ごめんなさい、感想は下巻読んでから!!

2020/03/09

まそお

自分とは一生縁のない世界のお話なので大変興味深いな、と。 主人公の真面目さが時にもどかしく感じられたけど、男社会に女が混ざると色々あるよな。

2020/07/03

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