人間の証明 (角川文庫)
「人間の証明 (角川文庫)」のおすすめレビュー
藤原竜也も演じた! 5度ドラマ化された『人間の証明』 原作3つのポイントとは?
『人間の証明』(森村誠一/KADOKAWA)
去る4月13日・14日に、東京国際フォーラムで行われた「角川映画シネマ・コンサート第1弾」。角川映画の初期3作品『人間の証明』『野性の証明』『犬神家の一族』のハイライト映像をバックに、劇伴音楽の巨匠・大野雄二率いる“SUKE-KIYO”オーケストラが、映画のオリジナル楽曲をジャズアレンジで演奏するという、角川映画世代には、感涙にむせびそうなイベントであった。
もちろん、70年代の大作路線から80年代の角川3人娘によるアイドル映画まで、角川映画と青春時代を共にした自分も、その例外ではない。巨大スクリーンに、あの『犬神家の一族』の巨大明朝体によるクレジットが写し出された瞬間、初めて同映画を見た時の衝撃が脳裏に鮮烈に蘇ったのである。
そしてその感情を増幅するように演奏される生オケの「犬神家 愛のバラード」……。何かもう青春時代のもろもろやら映画原体験の感動やら色々な感情がこみ上げて、とてつもなく濃厚な時間を過ごせたのである。ついでに言うと、映画ポスターでお馴染みの「湖から突き出た水死体の両足」をまねて、プ…
2018/4/21
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人間の証明 (角川文庫) / 感想・レビュー
茜
「母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね?」という西条八十の詩が印象的な映画にもなった小説。母と子の絆の強さが悲哀に変わってしまった悲しい事件の真相でした。母は子を想い、子は母を想うはずだったのに。。。ジョニーは幸せだったのか?複雑な心境です。
2022/01/28
アナーキー靴下
推理小説は好まず、読むことはないと思っていた著者だったが、お気に入りの方の感想に惹かれ読んでみると、涙を振り絞られる圧巻の人間ドラマだった。登場人物たちが抱える背景は、一つ一つ取ってみれば陳腐とさえ思えるストーリーである。しかしだからこそ陳腐さに逃げ込んでしまう人間の弱さ、悲しさを目の当たりにするようで、誰一人悪人と切り捨てられず、彼らの業が折り重なり生まれる重厚なドラマを見守るしかできない。死者の足跡を追うことは変えられない過去のトレースであり、死者は生き残った人間の中で物語として生き続けるのか。傑作。
2021/06/16
みっぴー
凄い本を読んだときって、どう言葉にしていいのか本当に困ります。捜査小説では松本清張の砂の器を超えるものは存在しないだろうと思っていましたが、この『人間の証明』はそれと同等か、もしくは上をいくかもしれません。エレベーター内で死んだ謎の黒人からストーリーが始まり、複数の目線からストーリーが進行、散りばめられた伏線が芸術的に繋がり、驚愕の真相へ辿り着きます。社会問題へのメッセージも込められており、読んだあとは何かを叫びたくなる衝動を覚えました。素晴らしい作品でした。
2016/05/29
びす男
森村誠一は、中学の頃によく読んだ作家だった。ドラマ主題歌だった「a place in the sun」が、この物語には本当によく似合っている■会話の説明口調が多かったり、ときどき登場人物が都合良く居合わせたりするのが気になるが、やはり一級品のミステリーだ。社会で失われていこうとしている親子の絆が、事件の解明とともに読者の前に姿を現す■「人間の証明」という王道を行くタイトル、それに負けない主題……。読むにつれて、謎解きの楽しさと時代の流れに対する感慨が同時に押し寄せてくるのである。
2019/02/25
どんふぁん
2020年4月23日読了。2004年にドラマ化して再注目を浴びた時読みましたが、読書記録がどこかにいってしまったので、再読です。しかし、こんな内容だったかな?と思い出しながらの再読でした。15年も経てば覚えていないものだな。人間の最後は心に語り掛けること。ということでしょうか。拙い読解力で申し訳ありません。私はどんな悪人でも心の奥底は人間の心が宿っていると思ってましたが、最近の人間は宿ってない人もいるような気がします。
2020/04/23
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