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父と私の桜尾通り商店街

父と私の桜尾通り商店街

父と私の桜尾通り商店街

作家
今村夏子
出版社
KADOKAWA
発売日
2019-02-22
ISBN
9784041063415
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あらすじ

桜尾通り商店街の外れでパン屋を営む父と、娘の「私」。うまく立ち回ることができず、商店街の人々からつまはじきにされていた二人だが、「私」がコッペパンをサンドイッチにして並べはじめたことで予想外の評判を呼んでしまい……。(「父と私の桜尾通り商店街」)
全国大会を目指すチアリーディングチームのなかで、誰よりも高く飛んだなるみ先輩。かつてのトップで、いまは見る影もないなるみ先輩にはある秘密があった。(「ひょうたんの精」)
平凡な日常は二転三転して驚きの結末へ。
『こちらあみ子』『あひる』『星の子』と、作品を発表するたびに読む者の心をざわめかせ続ける著者の、最新作品集!

収録作品
・白いセーター
・ルルちゃん
・ひょうたんの精
・せとのママの誕生日
・モグラハウスの扉(書き下ろし)
・父と私の桜尾通り商店街

父と私の桜尾通り商店街 / 感想・レビュー

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ケンイチミズバ

自分にもある。後には後悔や苦い思いだけだ。不器用で内向的、強く言い返せず誤解もうむ。日常どこにでも見られる風景だ。断り切れずに慣れないことを引き受け失敗する、DVを受けたとは言ってもいないのに否定できないまま会話が進む、近しい人の思い込みや間違いを正せない。相手との関係性、おっとりな自分と凛とした義姉、フリーターの自分と知的に見えた既婚女性、後輩と部活の憧れの先輩というだけでもそうなる。ならば相手が有名人、政治家、警察官だったりすればもっと恐いことにもなりかねないと思った。事実そんな事例はあるだろうし。

2019/02/25

吉田あや

人と人の、ふとした心の隙間の、些細な齟齬や隙間に生まれる不穏な景色を驚きの色へと変えていく六篇。倦怠感がそこはかとなく漂うフィアンセの、押しが強い姉の子供たちを預かることになった「白いセーター」。まだ僅かに残る幸せの跡形のようなものと、思考のズレから見える些細な行き違いを、話し合うことも喧嘩することもなく通り過ぎる乾いた寂しさは、恋の終わりの分岐点の匂いが立ち込めるよう。読み手の恋愛観で結末はいかようにも変わる余地がある所がまた面白い。(続↓)

2019/03/07

red falcon

フィアンセと会話がかみ合わず、別れの予感が漂う『白いセーター』。子供の時に、欲しくても買ってもらえなかった人形を偏執狂の主婦から救い出す『ルルちゃん』。おなかの中に七福神が住んでいたというチアリーダー『ひょうたんの精』。務めていた女の子たちの体の一部に覆われるスナックの老ママ『せとのママの誕生日』。みっ子先生にしか見えない地下世界『モグラハウスの扉』。店じまいするはずのパン屋の娘が同業者の訪問をきっかけに豹変する『父と私の桜尾通り商店街』。作者の意図はよく分かりませんが、ちょっと危ない感じが斬新な短編集。

2019/03/09

しゃが

短篇の6作品、それぞれにザワザワとして、不協和音が鳴りやまない。惹かれたのは日常的な「白いセーター」と非日常的な「モグラハウスの扉」だったが、ともに懸命で切ない女性たちだった。

2019/03/21

pohcho

題名だけ見て、今村さんには珍しく商店街を舞台にした人情物なのかと思ったら、とんでもなかった。そもそも短編集だったし。おだやかな文章で、のんびりした雰囲気なのに、気持ちがざわざわしてくる。不穏なんだけどどこか安らぐなあと思っていたら、びっくりするようなことが起こったり。いつもながら独特の味わいがあった。ひょうたんの話が好き。

2019/03/20

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