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父と私の桜尾通り商店街

父と私の桜尾通り商店街

父と私の桜尾通り商店街

作家
今村夏子
出版社
KADOKAWA
発売日
2019-02-22
ISBN
9784041063415
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父と私の桜尾通り商店街 / 感想・レビュー

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しんごろ

モヤモヤするというより、何かこうザワザワするというか…。だけど今村ワールドは、人の心をチクチク刺してきて、クセになるんだよね。実際に何編かは、このザワザワな感じの事が日常でありそうで、ありふれてそうなんだよね。今作は、ザワザワしている中にもちろん優しさあり、さらにユーモアも加わりクスリと笑えるところもありました。ひと癖ある今村ワールドに、またお邪魔したいですね。

2019/04/03

さてさて

日常生活を送る上で基準となるのは、私たちが生きてきた経験を土台とした価値観の上にあると思います。しかし、その土台は人によって必ずしも同じであるわけではありません。もしかしたら、私やあなたも、世の中から見て違和感、異物感を感じさせる存在になっていることだってあり得るかもしれません。日常の中に違和感、異物感を感じる、なんとも微妙な地平に立つこの作品。趣味の読書の中に、いい塩梅のスパイスをふりかけてくれたこの作品。日常を描く物語の中に違和感、異物感を味わう感覚が癖になりそうにも感じた、とても刺激的な作品でした。

2021/06/23

短編集。どの話も主人公をはじめ、テーマもぶっ飛んで凄い世界観でした。モグラハウスの話が1番良かったです。表題作もなかなか面白かったです。『あひる』『星の子』『こちらあみ子』あたりを読んでいた時は、この作者の作品の世界観に自分がまだ追いつけなかったのか、どうしようと思っていましたが、『紫のスカートの女』あたりから免疫が出来たのかえらくハマりつつあります。今後も作品が楽しみです。

2020/08/01

ウッディ

ほのぼのとしたタイトルや装丁からのイメージと異なるざらっとした違和感をもたらす6つのストーリー。登場人物との感覚のズレと予想を裏切られる物語の展開が、この気持ち悪さを連れてくるような気がして、まるで、寝覚めの悪い夢を見ているようでした。特に、「せとのママの誕生日」が気持ち悪かった。なぜ、この作家はこんな物語を書こうと思ったのか、不思議なまでの収まりの悪さでした。ただ、スッキリとまとまった物語よりも、記憶に残る印象的な一冊にはなっていたような気がします。

2019/07/20

抹茶モナカ

6編の短編を収録した短編小説集。違和感と不穏な感じという今村夏子さんの持ち味を味わえる。それぞれに文学空間になっていて、秀逸。この違和感は、現代的と言えば良いのか、それだけではないような気もする。文体は平易ながらも、独特な味わいを醸し出していて、それが個性になっている。今村さんの作品は個人的に好みで、積極的に読むようにしていて、本作も期待を裏切らない出来上り。前作の作品集『あひる』収録作のような作品を幾つか読みたい、と思っていたので、念願叶った思い。大柄な作品は作らない方かもしれないが、確かな個性。

2019/03/17

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