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あひる (角川文庫)

あひる (角川文庫)

あひる (角川文庫)

作家
今村夏子
出版社
KADOKAWA
発売日
2019-01-24
ISBN
9784041074435
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あらすじ

我が家にあひるがやってきた。知人から頼まれて飼うことになったあひるの名前は「のりたま」。娘のわたしは、2階の部屋にこもって資格試験の勉強をしている。あひるが来てから、近所の子どもたちが頻繁に遊びにくるようになった。喜んだ両親は子どもたちをのりたまと遊ばせるだけでなく、客間で宿題をさせたり、お菓子をふるまったりするようになる。しかし、のりたまが体調を崩し、動物病院へ運ばれていくと子どもたちはぱったりとこなくなってしまった。2週間後、帰ってきたのりたまは、なぜか以前よりも小さくなっていて……。なにげない日常に潜む違和感と不安をユーモラスに切り取った、著者の第二作品集。

あひる (角川文庫) / 感想・レビュー

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ケンイチミズバ

病院から戻って来たのはのりたまじゃなかった。家族のだれも口にしないし、平然とふるまうことに戸惑いながらも一つの命が消えたことを自分もなかったことにしてしまう。そして二羽めのときも無言の同調をしてしまう。何でもない日常の中、よくよく考えれば怖いことなのにやり過ごすことがあるという作者の観点や感性に感じ入るものがあった。小さい頃、ブリキのロボットが壊れて泣いたら叔父が新しいおもちゃを持って来てくれた。愛着があったロボットは埋葬のつもりだったか土に埋めてそしてすぐに忘れた。物と生き物の違いはとても大きな違いだ。

2019/02/12

red falcon

『あひる』、『おばあちゃんの家』、『森の兄弟』の三編が収録されています。『おばあちゃんの家』と『森の兄弟』が合わせ鏡のような構造になっていることに気が付いたとき、その上手さに感動しました。どの作品もテーマはよく分かりません。けれども、惹きつけられ、まどわされ、揺さぶられてしまう不思議な魅力があります。解説の冒頭に「今村夏子が何について書いているかはまだ誰も知らない」とありますが、『こちらあみ子』『星の子』と読んできた私も同じ気持ちです。どのジャンルにも属さない今村ワールドの今後が楽しみ。

2019/02/09

南雲吾朗

自分の子と一緒に暮らしてはいるが、手のかかる年齢を過ぎ独立してしまうと、ホッとすると同時に親としては少しだけ寂しい。大人(親)にとって、小さな子供の笑顔は何物にも代えがたい栄養剤だ。だから、孫ができるまで近所の子供らの笑顔が見たくて、のりたまは何回でも飼われ(買われ)続ける。「あひる」は害のない大人のわがままと親の寂しさを描いた感じがした。「おばあちゃんの家」、「森の兄弟」は同じ事象を違う視点で描いている。解釈の違いはあるが、解説の西崎 憲氏の文章も良い。良書であった。

2019/02/09

カブ

あひるが来てから小さい子が遊びに来るようになって賑やかになったはずなのに、ちょっぴり寂しい。あひるの元気がなくなり、病院に行くと別のあひるにすり替えられてるようだ。摩訶不思議な世界に入り込んだような奇妙な気持ちになる物語である。

2019/02/26

ピロ麻呂

芥川賞候補にもなった表題作を含む3編☆児童文学のように読みやすく1時間程度で読了。サラッと読むとほのぼのとしたストーリーだけど、よく考えれば冷徹で結局現実はそうなことが多いよね…って考えてしまう。

2019/01/29

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