KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

盤上に君はもういない

盤上に君はもういない

盤上に君はもういない

作家
綾崎隼
出版社
KADOKAWA
発売日
2020-09-30
ISBN
9784041095959
amazonで購入する

「盤上に君はもういない」のおすすめレビュー

史上初の「女性棋士」になるのは誰か? 将棋に懸けるふたりの天才の物語

『盤上に君はもういない』(綾崎隼/KADOKAWA)  今、現実でもフィクションでも「女性棋士」がアツい。なぜなら、史上初の女性棋士が生まれる期待が日に日に高まっているからだ。最近行われた第66回三段リーグ戦では、西山朋佳三段が第3位で次点となり、プロ入りまであと一歩に迫った。現実世界での盛り上がりに呼応するように、小説でも女性棋士をテーマにする作品が増えている。アニメ化もした人気ライトノベル『りゅうおうのおしごと!』(白鳥士郎/SBクリエイティブ)でも、ヒロインの空銀子が三段リーグで激闘を繰り広げる姿が描かれた。    ちなみに、よく混同されるが、「女性棋士」と「女流棋士」は別物だ。女性棋士は、「女性の棋士」。男性と同じように奨励会に入り、毎回2名しかプロになれない激戦の三段リーグを突破し「四段」になる必要がある。女流棋士もれっきとしたプロ制度だが、純粋な棋士の世界とは基準が異なる。事実、かつて女流棋士として活躍したタイトルホルダーたちは、まだ誰ひとり三段リーグを制していない。そのことを考えると、この差も理解できるだろう。    なぜ、女性は棋…

2020/10/22

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

「盤上に君はもういない」の関連記事

「たった一人の言葉に傷つき、心を病んでしまう」――40作目で描いた“小説家小説”に込めた想いとは?《綾崎隼さんインタビュー》

『死にたがりの君に贈る物語』(綾崎隼/ポプラ社)

 若者に熱狂的に支持されるベストセラー作家の、突然の訃報。ファンの後追い自殺まで起こり、出版社はじめ関係者は窮地に立たされる。やがて、ある山中の廃校に7人のファンが集い、亡き作家の小説世界をなぞる共同生活をしながら、未完に終わった物語の結末を見つけだそうとするが――。

 数々の青春、サッカー、ミステリ小説で知られ、昨年上梓した将棋小説『盤上に君はもういない』(KADOKAWA)で新境地を切り拓いた綾崎隼さん。記念すべき40冊目となる本作『死にたがりの君に贈る物語』(ポプラ社)は、物語をめぐる物語だ。 取材・文=皆川ちか

「“小説家小説”というのは、作家なら誰でもきっと一度は書いてみたい題材だと思います」と綾崎さんは語る。

「前作を出したとき、ベストと言い切れる小説を書けたと思いました。これでもう死んでもいいというくらいの達成感がありました。では次に何を書こうかと考え、10年間の作家生活で良くも悪くも様々なことを経験してきましたし、小説そのものをテーマにした作品に、そろそろ挑戦できるのではないかと考えま…

2021/6/16

全文を読む

史上初の女性棋士は誕生するか? 将棋に全てを懸ける若者たちの群像劇『盤上に君はもういない』綾崎隼インタビュー

綾崎 隼 あやさき・しゅん●1981年新潟県出身。第16回電撃小説大賞〈選考委員奨励賞〉受賞作『蒼空時雨』でメディアワークス文庫よりデビュー。受賞作を含む「花鳥風月」シリーズはじめ「ノーブルチルドレン」「レッドスワンサーガ」「君と時計」など多数のシリーズを発表。他作品に『君を描けば噓になる』『命の後で咲いた花』など。  

 常時170人前後の現役棋士が知略を尽くして死闘を繰り広げる将棋の世界。しかしそこに、女性の棋士は未だかつて存在しない。『盤上に君はもういない』に登場するのは、史上初の女性プロ棋士を目指す2人の女性と、将棋の神に愛された天才少年。将棋という盤上遊戯に人生を懸けた3人をめぐる群像劇が描かれる。  前人未踏の女性棋士というテーマに臨んだのは、恋愛青春ミステリー「花鳥風月」シリーズや、サッカー小説「レッドスワンサーガ」で若い世代から圧倒的支持を集める綾崎隼さんだ。

女性棋士は何故いない その疑問から出発した

「将棋は子どもの頃から親しんでいました。いつか将棋小説を書きたいと考えていたわけではなかったのですが、あれだけの長い歴史を持…

2020/10/14

全文を読む

関連記事をもっと見る

盤上に君はもういない / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

しんごろ

将棋界のサラブレッドの諏訪飛鳥と、病弱な千桜夕妃の女流棋士の物語。奨励会の三段リーグの激闘だけでは終わらない、いや単なる将棋だけの物語ではない熱い熱い物語に、ただただまいった。飛鳥と夕妃の戦友のような友情とライバルでもある関係が読んでて心地よく、ある程度、先の展開は読め、わかっていてもラストの章に自然と涙が溢れた。将棋に邁進するか、愛を貫くか。もし、自分ならどうするかと考えてしまう。自分なら愛を貫きたい。今、何年もそばにいてくれる相方を大切にしたいと思わせる物語にありがとうと言いたい。

2021/01/22

utinopoti27

将棋界初の女性棋士を目指す諏訪飛鳥と、天才少年・竹森稜太。そしてそこに割って入るのが、持病のハンデを抱えた26歳の千桜夕妃だ。物語は3人の思いと人生が交錯する過酷な勝負の世界が描かれると思いきや、中盤以降は夕妃の切ない純愛にシフトしてゆく。せっかく将棋をモチーフにしたのだから、命を削るせめぎあいをもっと読みたかった気はするが、まあそれは好みの問題だろう。将棋は『相手を想い合うゲーム』だという。だからこそ作者は純愛小説の題材として将棋を選んだのかもしれない。爽やかな感動の風が吹き抜けるような一冊。

2021/03/15

ふじさん

将棋のプロ棋士を目指す者たちにとっての最後の難関・奨励会三段リーグ。それに挑む、肺に重大な疾患を抱えながら年齢制限間際で挑戦する千桜夕紀と、永世飛王を祖父に持つ天才少女・諏訪飛鳥。歴史に残る激戦を制し、リーグを勝ち抜き初の女性棋士になったのは千桜夕紀。だが、夕紀は昇格後の最初の公式戦から、姿を晦まし2年半後に復帰する。復帰後は、ライバルの飛鳥や将棋界の若きエース竹森稜太等と戦い、遂には竜王となる。だが、2年半の空白の事実は謎、次第に明らかなる驚くべき真実は、哀しく辛い。最後の結末には少し心が癒される。

2023/12/13

kotetsupatapata

星★★★☆☆ 帯の『今年号泣の青春純愛小説!』に惹かれて読んだのですが、ちょっと期待外れだったかな~ 青春純愛というには若干年齢も高い(27才くらい?)し、千桜夕妃という女性初の棋士の生涯にスポットを当ててるのでしょうが、他の人の視点からの物語が長く、ちょっと冗長に思えました。 それと観戦記者ってそんなに棋士とプライベートの交流していいの? 将棋の駒の動かし方など全く知りませんが、棋士が棋士として生きていく業はヒシヒシと伝わりました

2023/08/29

夜長月🌙@5/19文学フリマQ38

初めての女性棋士誕生とその生きざまの物語です。女性同士で戦う女流棋士はいますが、男女ともに門戸が開かれているのにこれまで一人も女性が棋士になれていないのは不思議でした。一歩手前まで行った方はいるようです。その辺の説明は少しありますが、物語の核心は二人の天才女性棋士の内面です。お互い戦友でありライバルであり心の友でもあります。命をかけて人生をかけての戦いが続きます。

2020/12/10

感想・レビューをもっと見る