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エンプティスター

エンプティスター

エンプティスター

作家
大崎善生
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2012-03-01
ISBN
9784041101148
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エンプティスター / 感想・レビュー

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タックン

3部作の3作目。2作が恋愛系だとすると、こちらはどっちかというとサスペンス・ノワールに近いのは驚いた。 でも読み終えると題名の(エンプティスター)から派生した喪失感っていう言葉が自然と出てくる。そうすると3作に渡ったテーマは喪失感だと・・・。喪失感になると、何か文体・テーマ共に村上春樹さんの作品に似ているなってなってしまう。組織・飛び降りとかも似ている。サスペンスの終わり方も最後も尻切れトンボだった。 ただ、韓国娘の(ミリョン)のキャラとやり取りだけは爽やかな風が吹いててよかった。

2019/08/16

nyanco

『パイロットフィッシュ』『アジアンタムブルー』に続く恋愛三部作完結編。今まで読んだことがない恋愛小説だった「パイロットフィッシュ」当時かなり衝撃を受けました。物語の間に挟み込まれる熱帯魚についての詳しい記述も斬新でした。完結編ということで読み始めましたが、哀しくなってしまいました。45歳になっても山崎は変わらなかったのですね。七海と別れて一人暮らしを始めたシーンから物語は始まるのですが、山崎にしてみたらわかれるきっかけは特に無かったというのだが、七海はきっと山崎が変わる日を待っていたように感じます。続→

2012/04/03

いずむ

裏切りと再生の終幕。心が限界を超えて打ちのめされる。失って喪って亡って、全てを失って、なお失い続ける。でもそうじゃないんだ、と。例え何もかも失って、光すら、闇すら見えなくなっても、決してヒトは空虚の中に堕ちやしないのだ、と。恐怖や絶望に駆られて、亡羊と生きること。そこにだって、悲しみや苦しみはあるはずだ。でも、それは決して虚無じゃない。次の一歩は、確実に前へと進む力強さを持って踏み出される。うまくは言えないけれど、そんなヒトの強さの存在を信じている。エンプティスター、空虚の星。そう、所詮それも幻想なのだ。

2012/05/11

そうたそ

★★☆☆☆ 「パイロットフィッシュ」「アジアンタムブルー」に続く恋愛三部作の最後を飾る作品。前二作は恋愛小説の佳作だと思うのだが、何故こんな劣化版馳星周みたいな作品であとを濁すようなことをしたのだろうか。ただただ残念でならない。これを読んで恋愛小説とはとても思えないだろう。じゃあノワールものなのかと言われると、そう言うには随分とお粗末な内容であり何にしても中途半端。「パイロットフィッシュ」で大崎作品に出会った読者であるだけに、この作品は必要なかったなという気持ちばかりが残る。

2017/12/26

Shinobi Nao

主人公の過去の別れた彼女が何人も出てきて、加えて現在進行形もいて、その誰もがそれなりに存在感があるので、かえって一人一人が希薄になってしまっているのが残念。女性のキャラクターがごちゃまぜで、結局彼にとって大事なのは誰なのかわからない。「アジアンタム」と「傘の自由化」は著者にとって余程の拘りのキーワードなんだな、という印象だけ強く残る。

2016/09/22

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